学者・三好学が県内歩いた道筋 地図資料を初公開

2018年10月24日 07:40

三好学が歩いた道筋を書き入れた「濃飛両国地理明細新全図」(岐阜大提供)

三好学が歩いた道筋を書き入れた「濃飛両国地理明細新全図」(岐阜大提供)

 「天然記念物の祖」として知られる岩村藩出身の植物学者、三好学(1862~1939年)が調査のため岐阜県内各地を歩いたことを示す地図資料が見つかり、県博物館が岐阜市柳戸の岐阜大図書館で初公開している。1886(明治19)年に出版された地図に自身で歩いた道筋を朱書きしたとみられる。ひ孫に当たる同大応用生物科学部の石田仁准教授(58)が自宅で保管していた。

 地図は縦58センチ、横54センチの「濃飛両国地理明細新全図」。地図記号の解説欄に三好の自筆で「(朱書き)ハ旅行シタル道程」とある。岐阜、西濃、中濃、東濃地域を中心に多くの朱色の線が引かれている。歩いた時期ははっきりしないが、県内を複数回訪れて書き足したとみられる。

 三好の随筆集「学軒集」には、調査に関連し1日18里(約70キロ)を歩いたとみられる植物採集紀行の記録が残っている。地図には、本巣市や揖斐郡揖斐川町、郡上市北西部など険しい山間部の行程も多数記されており、三好の健脚ぶりを裏付ける。石田准教授は「辺境の地にほとんど徒歩で赴いている。実際の行程はもっと密度が濃いものだったのかもしれない」と話す。

 三好は1906年、貴重な自然を保護する必要性を国内で初めて論じ、19年の史蹟(せき)名勝天然記念物保護法(現文化財保護法)の施行に尽力した。石田准教授は「外国からさまざまな学問がもたらされた時代に、三好は国内の自然を守らなければいけないと訴えた。その思いを強くしたとみられる調査行程の一端を垣間見ることができる」と話している。

 地図は県博物館が移動展の展示物として紹介している。11月12日まで。学生以外も入場できる。日曜日と祝日は閉館。


カテゴリ: 教育 社会