岐阜県高山市の国指定伝統的工芸品「一位一刀彫」の工房で、来年の干支(えと)・亥(い)にちなんだイノシシの置物の製作が最盛期を迎えている。
一位一刀彫はイチイの木で作る木彫刻で、温かみのある木目が特徴。3、4年で色のムラが消え、深い赤茶色に染まっていく。
同市初田町の鈴木彫刻では、飛騨一位一刀彫協同組合理事長の鈴木英之さん(65)と長男雄大さん(29)が11月から作業を続ける。約40種類の彫刻刀を使い分け、愛くるしいうり坊や力強い成獣のイノシシを彫り上げる。年末までに高さ約5~9センチの約300体を製作する予定。神社などに出荷するほか、同店でも販売する。