豚コレラ、最初の感染は岐阜市椿洞のイノシシか

2018年12月19日 07:35

 岐阜県内で家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の感染が広がっている問題で、国と県でつくる拡大豚コレラ疫学調査チームは18日、農林水産省で検討会を開き、岐阜市椿洞地区で野生イノシシが最初に感染し、飼育施設などに拡大していった可能性があるとの見解を示した。これまでは、1例目となった養豚場が発端だった可能性が高いと説明していたが、見解を変更した。

 1例目の感染は9月に岐阜市の養豚場で確認されたが、関係者の聞き取りや飼料の購入記録などから8月上旬にはウイルスが侵入していたと分析。▽養豚場で発生する前の7、8月に椿洞地区で相次いで死亡イノシシが発見されている▽飼養管理者が限られ、汚染資材などの持ち込みも確認されない-ことなどから、椿洞地区の野生イノシシが最初に感染した可能性があるという。

 国内へのウイルス侵入は、輸入検疫を受けずに持ち込まれた旅行者の手荷物や国際小包からと考えられるとの見解を示した。海外から違法に持ち込まれた食品が家庭ごみとして捨てられたり、行楽地で廃棄されたりし、それを食べた野生イノシシが最初に感染した可能性を指摘した。

 3例目となった美濃加茂市の県畜産研究所では豚舎に野鳥の侵入が認められた。4例目の関市内のイノシシ飼育場では飼養管理者が野生イノシシ捕獲調査に参加するなどしていた。調査チームは野生動物や人、物を介して施設にウイルスが侵入したと推定している。

 これまで発生した5例のうち3例が公的機関の施設であることについて、津田知幸チーム長は「公的機関では人の出入りが多い。ハード面はしっかりしており、ソフト面が考えられる」と述べた。

 ワクチン接種による防疫に関しては、この日の検討会では議論はなかった。

 岐阜市で今年7月に11頭、8月に7頭もの野生イノシシが死亡していたことについて、県は9月下旬には情報を把握していたが、これまで検証報告などでは一切触れていなかった。県畜産課は「拡大豚コレラ疫学調査チームに報告されていたので、われわれが考察するには至らないと考えた。(豚コレラと)関連するかどうか不明だったので、議論にも上がらなかった」としている。


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