農家「打つ手ない」 豚コレラ、大規模被害に衝撃

2018年12月26日 08:05

  • 養豚場での作業後、防護服を脱ぐ迷彩服姿の自衛隊員ら=25日午後1時51分、関市内 
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 岐阜県関市の養豚場で25日、県内の飼育施設で6例目となる豚コレラの発生が確認された。1例目に続く民間農場での感染に、養豚業者からは「気が気でない」「打つ手がない」と悲鳴が上がる。豚コレラ対応では今回初めて自衛隊も派遣され、農場は物々しい雰囲気に包まれた。防疫措置は年末年始も行われる見通しで、職員らの疲労を不安視する声も出ている。

 「感染を阻止する方法が分からない」。新たに豚コレラの感染が確認された関市の養豚場は約7800頭を飼育。県内有数の規模で防疫態勢も万全だったとみられただけに、養豚業界には不安の声が広がった。

 恵那市で4千頭余りを飼育する業者の男性(65)は「防護柵を設置し万全を期しているが、気が気でない」と心境を吐露した。市内の同業者にワクチン接種について考えを聞いたところ、ほとんどが賛成だったという。「接種するかしないかの判断を早くしてほしい」と注文を付けた。

 高山市で約3千頭の豚を飼う養豚業者の男性社員(27)も今回の感染に「気持ちの整理がつかない」と頭を抱える。「防疫を指導する立場の県の施設で発生し、極め付きが今日の事態。行政は何とか拡大を食い止めてほしい」と切実だ。

 別の養豚場を経営する男性は「出荷を何日も止めている間に、豚が成長しすぎて規格外になり価格が下がる。皆だいぶ損失が出ていると思う」と指摘した。

 JAめぐみのの担当者は「取引先の畜産農家から『柵などの対策を取っているが、鳥などに媒介されたら打つ手がない。感染経路が分からないので不安』という話を聞く。県産豚肉に対する風評被害も気になる」と語る。

 関市農林課の担当者は「(豚コレラが発生した畜産業者は)県のブランド豚を飼育しており、市にとっても痛手」とした上で「事業再開の際には、支援策を考えたい」と語った。


カテゴリ: 社会