地衣類新種「カワアカツブノリ」飛騨川で発見

2019年01月19日 07:59

酸性岩に生育するカワアカツブノリ。黒赤色の塊が地衣体で、大きさは1センチほどだ=加茂郡川辺町、飛騨川(川上紳一教授提供)

酸性岩に生育するカワアカツブノリ。黒赤色の塊が地衣体で、大きさは1センチほどだ=加茂郡川辺町、飛騨川(川上紳一教授提供)

 岐阜県内で地衣類の調査を行っている岐阜聖徳学園大の川上紳一教授(62)が、加茂郡川辺町の飛騨川で新種の地衣類を発見した。ラン藻を共生させたツブノリ科の地衣で「カワアカツブノリ」と命名。12月発刊の日本地衣学会の機関誌ライケノロジーで発表した。

 川上教授によると、カワアカツブノリは川から露出する酸性火山岩の表面に生育。大きさは1センチ程度で、単細胞性のラン藻を共生させている。国内では、ツブノリ科は石灰岩に生育するアカツブノリのみが知られていた。

 日本地衣学会が2016年に同所で観察会を開いた際、同会会長で千葉県中央博物館主任上席研究員の原田浩氏と川上教授が発見。詳しく調べた結果、新種と判明した。

 川上教授は、県内は自然環境が豊かで生物多様性に富んでいるが、地衣類の調査は進んでいないと指摘。過去にも希少種や新種の地衣類を県内で発見している川上教授は「飛騨川周辺は希少種の地衣類が群生しており、今後も新種が発見される可能性は高い」とみている。

 【地衣類】 藻類と菌類の共生体。藻類が光合成で菌類の菌体をつくり、その表面に生息する。樹木の幹や岩石の表面に付着し、長い年月をかけて成長する。国内では約1700種が確認されている。


カテゴリ: 科学