庄吉さん見守り続けて 郡上本染寒ざらし、節目の50回

2019年01月21日 08:39

こいのぼりののりを洗い落とす寒ざらし作業をする渡辺一吉さん(手前)ら=20日午後1時2分、郡上市八幡町、小駄良川

こいのぼりののりを洗い落とす寒ざらし作業をする渡辺一吉さん(手前)ら=20日午後1時2分、郡上市八幡町、小駄良川

 大寒の20日、郡上本染(県重要無形文化財)の「鯉(こい)のぼり寒ざらし」が、岐阜県郡上市八幡町の小駄良川で行われた。技術保持者・故渡辺庄吉さんが1970年に公開を始め、今年で50回目を迎えた郡上八幡の冬の風物詩。渡辺さんが昨年10月に亡くなって初めての寒ざらしとなり、水面(みなも)に浮かんだ18枚のこいのぼりが、時代の節目を彩った。

 郡上本染は、渡辺染物店(同町)が守り続ける伝統工芸。渡辺さんの長男で店主の一吉さん(49)は「今年は、先代である父が亡くなってから初めてで、平成最後の寒ざらしでもある。時代が変わる中で、郡上本染を次代へしっかりつないでいきたい」と語り、作業に臨んだ。

 こいのぼりは「カチン染め」と呼ばれる技法を用い、目やうろこの色を付けない輪郭線にのりを置き、大豆の搾り汁を混ぜた染料で色付けをする。寒ざらしは、冷水でのりを洗い落とす工程。

 雨が降る中、同店職人や郡上本染後援会員が、水温4度の川に入り、ブラシなどを使って丁寧にのりを落とした。今年は地元の郡上高校野球部員も作業を手伝った。一吉さんは「父は、私の初節句に向けたこいのぼりを作るときに公開を始めた。私も今年50歳を迎え、改めて父の愛情を感じる」と話した。

 寒ざらしは2月3日にも公開される。


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