郷土の調べ60年ぶり復活へ 美濃加茂・伊深に伝わる地芝居はやし

2019年01月29日 08:22

息を合わせて演奏する児童ら=美濃加茂市伊深町、旧伊深村役場庁舎

息を合わせて演奏する児童ら=美濃加茂市伊深町、旧伊深村役場庁舎

 岐阜県美濃加茂市伊深地区で昭和30年代まで盛んだった地芝居のはやしを再現しようと、同市伊深町の伊深小学校の6年生5人が小鼓の稽古に取り組んでいる。2月2日の学習発表会で、およそ60年ぶりに伝統の音色を響かせる。

 伊深の地芝居に関し、民俗学者の故佐野一彦氏は同地区の民俗を記録した「伊深日記」で、1947年に伊深小の校庭で開かれた村芝居の様子を図とともに記し、見事さを称賛している。

 伊深小に隣接し、歌舞伎音楽の継承と育成を行っている旧伊深村役場庁舎・伊深民俗講究所の小野崎隆賢さんによると、当時は町内に芝居小屋もあり盛んだったが、娯楽の多様化や青年団運動の減衰で消滅したという。

 児童たちは昨年11月、同講究所で和楽器の体験学習を行い、自分たちが通う伊深小で江戸時代から続く地芝居が行われていたことを初めて知った。驚きは大きく、「地歌舞伎の音楽を再生させたい」という気持ちが芽生えたという。

 共感した同講究所の協力で総合学習の一環として稽古や学習を開始。児童5人が小鼓、担任の森博雅教諭が大鼓を担当し、邦楽団体「菊長会」主宰の住田尚子さん(岐阜市)の指導で長唄「雛鶴三番叟」の演奏に挑戦している。

 本番を控えた稽古で児童らは、掛け声で息を合わせ何度も演奏を繰り返した。児童(12)は「初めて知った時はびっくりした。自分たちでやりたいと思った。息の合った演奏を多くの人に聴いてほしい」と意気込む。小野崎さんは「自分たちの地域の文化を復活させる取り組み。ゆくゆくは地歌舞伎が復活できるといいですね」と話した。


カテゴリ: くらし・文化 教育

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