発覚1年半、状況証拠積み上げ 高山元介護職員逮捕

2019年02月04日 07:41

入所者5人が相次いで死傷した介護老人保健施設「それいゆ」=3日午後5時50分、高山市桐生町

入所者5人が相次いで死傷した介護老人保健施設「それいゆ」=3日午後5時50分、高山市桐生町

 岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」で、2017年7月末から約半月間に入所者5人が死傷した問題の発覚から約1年半。県警は両あばら骨骨折などのけがを負った女性=当時(91)=について事件と断定し、当初から捜査線上に浮かんでいた元施設職員小鳥剛(おどりたけし)容疑者(33)を傷害容疑で逮捕した。関与を示す「決定打」(捜査関係者)がない中、状況証拠を積み重ねて一連の問題を全容解明する方針。

 施設によると、5人の全ての介助に関わったのは、小鳥容疑者だけ。だが、いずれも別の職員らの目撃情報や防犯カメラの映像などがない上、被害に遭った女性からの聞き取りはできず、捜査は難航していた。

 小鳥容疑者はこれまでの本紙の取材に対し、関与を否定。県警は、施設職員の話や医師ら専門家の意見などさまざまな証拠を一つずつ集め、「事故ではそうしたけがが発生し得ない」と刑事事件と判断した。

 「事件は複雑で、確定的な詰めはまだこれからだ」。県警の澤井孝明刑事部参事官は慎重に捜査をしていく姿勢を示した。

 捜査本部によると、小鳥容疑者は施設を退職後、昨年4月ごろから建築関係の会社に勤めていた。同本部は3日朝、名古屋市の居住先にいた小鳥容疑者に任意同行を求め、岐阜中署で逮捕した。

 元職員の小鳥容疑者の逮捕が報じられた3日夜、施設から出てきた一戸康弘事務長は報道陣に硬い表情で「何も答えられない」と話した。


カテゴリ: 事件・事故 社会