国と県、連携ぎこちなく 豚コレラ拡大

2019年02月07日 08:29

  • 古田肇知事と面談し「危機的な状況」と語った小里泰弘農林水産副大臣(奥)=6日午前、県庁
 
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 岐阜市で昨年9月に国内で26年ぶりに発生した家畜伝染病「豚(とん)コレラ」は6日、一挙に5府県へ拡大した。農林水産省と岐阜県は飼養衛生管理基準の順守による封じ込めを進めてきたが、有効な対策を打ち出せておらず、さらなる拡大も懸念される。農水省は同日、岐阜市内に現地対策本部を設け対策に本腰を入れるが、発生から5カ月たった今も収束の兆しは見えない。県内の養豚業者からは「拡大を防ぐため、ワクチン投与などの抜本的な対策が必要だ」との声も上がっている。

 恵那市内の養豚場で豚コレラの感染が確認されたことなどを受けて、古田肇知事は6日の対策会議で「収束が見えない中、さらに拡散する事態で大変重く受け止めている」と述べた。

 岐阜市内で現地対策本部の発足式に臨んだ小里泰弘農水副大臣は同日、県庁で古田知事と面談し「想定外の事態」と言い表した。県庁内からは「当然、想定しておくべき事態だ」と国の対応の遅さを皮肉る声も漏れた。

 農水省はこれまで、農場の防疫の手引きともいうべき飼養衛生管理基準を盾に「しっかり守れば発生しない」と繰り返した。県が手探りで進める野生イノシシ対策にも具体策は示さなかった。

 今月5日に農水省は、国による県内全養豚農場の現地指導、現地対策本部の設置、対策事業の緊急拡充の三つを発表した。県が行ってきた農場の指導に国や第三者機関が加わる現地指導は、飼養衛生管理基準の順守徹底を掲げるが、農場指導に当たる県担当者は「農場の規模によって柔軟な対応が必要」と対応の難しさを語る。農家にとって有益な防疫改善につながるかは不透明だ。さらに、野生イノシシの拡散を防ぐ防護柵への補助制度も、県は既に70キロ以上の防護柵を完成させており、連携のぎこちなさが透けて見える。

 農水省はワクチン投与に消極的だが、5府県に感染が広がった今、県内の養豚業者には「ここまでの感染拡大は予想できなかった」と不安と懸念が広がり、ワクチンが必要との声が出ている。


カテゴリ: 社会