名古屋城天守閣に東濃桧 中津川産、木造事業で採用

2019年02月08日 09:04

候補に選ばれた樹齢100年を超える東濃桧を紹介する内木篤志組合長=7日午前、中津川市加子母

候補に選ばれた樹齢100年を超える東濃桧を紹介する内木篤志組合長=7日午前、中津川市加子母

 名古屋市が進める名古屋城天守閣の木造復元事業で、岐阜県中津川市の加子母地区など市北部の山林に育つ、樹齢100年を超える東濃桧が使われることになった。市北部の加子母、付知町、川上地区は旧尾張藩の飛び地領だった地域(裏木曽3カ村)。江戸時代の名古屋城築城時にもヒノキを用材として送った歴史があり、復元事業でも天守閣最上階の柱など重要な部分に使われる方向だ。

 名古屋市は木材調達で昨年7月、復元工事を請け負う竹中工務店と約94億5千万円の契約を締結。同社が天守閣の柱や梁(はり)に使うヒノキやケヤキ、マツなど計約2300本を確保するとした。特に天守閣最上階には良質な木材を求め、有識者会議では調達に当たって史実を考慮するよう意見が出されていた。

 昨年8月に加子母森林組合に調査依頼があり、加子母、付知町、川上地区周辺の私有林で復元用材にふさわしい、胸高直径50センチ以上の樹齢100年を超える東濃桧をリストアップ。竹中工務店に用材を納める専門業者が、地元の森林組合員31人が所有する山林の101本を候補として選んだ。

 今後、この中から天守閣最上階の柱に必要な、節無しなどの55本を含め、用材を厳選する。同組合は専門業者や山林所有者との契約を経て、9月から伐採を始めたい考え。搬出前には「奉祝祭」を催し、加子母と付知町の木遣(や)り保存会による木遣り唄に合わせ、地域の人たちと曳(ひ)き歩きたいという。

 同組合の内木篤志組合長は「江戸時代から旧尾張藩の山守りとして先祖代々、山を受け継いできた。名古屋城に使われるとなれば将来にわたって、この地域の山づくりの励みになる。将来の国宝にふさわしい良質な東濃桧を送り出したい」と意気込む。旧尾張藩領の裏木曽3カ村は良質なヒノキの産地。特に加子母は古くから伊勢神宮の式年遷宮をはじめ、姫路城や江戸城などにも用材を送ってきた。復元された名古屋城本丸御殿にも加子母のヒノキが使われている。


カテゴリ: くらし・文化