野生イノシシに餌ワクチン 豚コレラ対策で農相是非判断

2019年02月20日 07:44

野生イノシシに投与が検討されている餌ワクチン(ドイツ・Friedrich-Loeffler研究所提供)

野生イノシシに投与が検討されている餌ワクチン(ドイツ・Friedrich-Loeffler研究所提供)

 吉川貴盛農相は19日の記者会見で、岐阜県などで拡大する家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の対策として、野生イノシシへのワクチン投与について「使用した場合のメリット、デメリットを検討している」と述べ、早期に実施する見通しを示した。早ければ、22日に開かれる専門家による検討会でウイルスの侵入経路などを検証し、使用の是非を最終判断する。

 吉川氏は「そんなに時間をかけられない。実施できる状況になれば速やかに実施する」と強調。投与の時期や回数、範囲、さらに効果の確定手法などを分析しているという。

 国や県はこれまで、感染ルートの可能性がある野生イノシシの対策として、防護柵の設置や捕獲を進めてきた。だが養豚場で感染が相次ぎ、周辺で豚コレラの陽性反応が出た野生イノシシが見つかっていることから、さらなる対策が必要と判断したとみられる。

 農水省によると、野生イノシシへのワクチン投与は、ワクチンを餌に混ぜて食べさせる。ドイツやフランスでの使用例があるが、国内では経験がない。

 一方、飼育豚へのワクチン接種は、ウイルスを完全に排除した「清浄国」とみなされず輸出に影響するため、国は慎重な姿勢を示している。また国の調査チームは、岐阜県内全ての養豚場を対象に飼養衛生管理基準順守の指導を進めており、愛知県でも実施する意向を明らかにした。


カテゴリ: 社会