野生イノシシに3月ワクチン投与 豚コレラ対策

2019年02月23日 07:42

 農林水産省は22日、岐阜など5府県で拡大する家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の新たな対策として、岐阜と愛知県の一部で3月中旬から野生イノシシにワクチンを投与すると発表した。豚コレラは感染した野生のイノシシを介して養豚場に広がったとみられ、吉川貴盛農相は記者会見で「これ以上の拡散防止のためにワクチンを使用する時期がきた」と述べた。野生動物へのワクチン投与は国内初となる。

 農水省によると、トウモロコシ粉やミルクパウダーなどに包まれた液状ワクチンを使用。イノシシが穴を掘って餌を取る習性を利用し、地中10~15センチに埋め、餌として食べさせて投与する。大きさは4センチ四方で厚さ1・5センチ。

 ドイツからまず12万個を輸入し、春、夏、冬の3シーズンごとに2回ずつ使い、それぞれ約1週間後に回収して摂取状況を確かめる。感染した野生イノシシが見つかった岐阜、愛知県の地域に限定し、効果を検証しながら数年にわたって投与するという。

 これまで野生イノシシ対策として防護柵の設置や捕獲を進めてきたが、19日に瑞浪市の養豚農家で野生イノシシによる感染が疑われる豚コレラが発生するなど、さらなる対策強化が必要と判断。22日の豚コレラ防疫対策本部で決めた。

 豚コレラに感染した野生イノシシは岐阜県で180頭(22日現在)、愛知県で10頭(21日現在)見つかっている。

 一方、飼育豚へのワクチン接種は、ウイルスを完全に排除した「清浄国」とみなされず輸出に影響するため、慎重に判断する姿勢を強調している。


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