75歳高校生卒業「学問は人生の忘れ物」

2019年03月02日 07:38

卒業証書を手に笑顔を見せる小椋輝雄さん=1日午後8時8分、岐阜市則武、県岐阜商業高校

卒業証書を手に笑顔を見せる小椋輝雄さん=1日午後8時8分、岐阜市則武、県岐阜商業高校

 卒業生は75歳-。岐阜市則武の県岐阜商業高校定時制に通った同市北一色の小椋輝雄さんが1日、卒業式に臨んだ。自活のため中学校を出てすぐ働き始めたが、「十分に勉強してこなかった」という心残りがあった。「高校での4年間で大きな自信をもらった。人生100年時代。70代での学び直しが、もっと当たり前になるといい」と、万感の思いを胸に学びやを巣立った。

 「周りからどう見られようと、自分の高校生活を始めるのだという強い意志を働かせた」。答辞を述べた小椋さんは入学時の思いを振り返った。

 揖斐郡大野町出身。小学生の頃から牛乳配達に汗し、中学卒業後は呉服店での勤務や自動車のエンジン部品を作る工場の作業員、百貨店での営業など、さまざまな仕事を経験してきた。

 「学問は人生の忘れ物でした」。60歳を過ぎてからもガソリンスタンドでのアルバイトを続けるなど、ひたすら働くことに身をささげてきたが、その一方で"学び直し"への意欲が膨らんでいた。社会が多様な生き方を認め合うように変わりつつあると感じたからだ。

 高校での学びは全てが新鮮だった。簿記や数学を学んで答えの導き方が一つではないことを知り、日本史や世界史に触れて、人類の歩みに争いがあまりにも多いことに驚いた。

 卒業証書を手に「感無量。この年になってなお、学びの機会をもらえたのはありがたい」と笑顔をみせた小椋さん。進路は決まっていないが「学んだことを社会に還元していきたい」と語った。


カテゴリ: 教育 社会