「高齢者の足」確保へ期待 自動運転の実証実験

2019年03月03日 07:50

  • 国道472号から道の駅「明宝」へ入る自動運転車=2日午後0時30分、郡上市明宝大谷 
  •  

 自動運転車による移動サービスの実証実験が2日、岐阜県郡上市の明宝地域で始まった。道の駅「明宝」を拠点に高齢化が進む中山間地の集落での「交通弱者」の移動手段や物流網の確保を狙いとした東海地方では初の実験。国は2020年までに過疎地での自動運転車の実用化を目指しており、安全性や利便性などを検証する。8日まで。

 実証実験は、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)として、国土交通省や同市、地元関係団体でつくる「道の駅明宝を拠点とした自動運転サービス地域実験協議会」が実施。高齢者を病院などへ送迎する日常的な生活支援、買い物困難者への日用品配送、道の駅への農産物出荷などでの利用に備え課題を見極める。

 ルートは、道の駅を発着点に、国道472号からそれた山あいの気良地区を周回し、市明宝振興事務所、明宝医院を経由する約6・7キロ。車両は5人乗りミニバンで、実験では運転手と助手席にオペレーターが乗る。

 2日は来賓や報道関係者ら約30人がコースの一部を試乗した。試乗中は動線上に停止している車をよける際などは運転手が補助操作したが、国道を時速約40キロで走り、赤信号では前方の車に続いて自動停止。右折や左折の際は低速になり、自動でハンドルを切った。

 同協議会委員の伊藤雅史同振興事務所長は「明宝地域は大きな商店がなく、公共交通も少ない。高齢者の移動支援は地域全体の課題」と指摘。「道の駅にコンビニ的機能を整備し、自動運転で足を確保できれば」と実用化へ期待を膨らませる。

 3~8日は午前9時から午後3時までに1日6便を運行、住民らから選ばれた一般モニター約70人が試乗する。国交省はSIPの枠組みで17年度に全国の中山間地13カ所で同様の実証実験を行った。


カテゴリ: くらし・文化 科学