新設の岐阜大「地域コース」進学 飛騨市の堀之上さん

2019年03月05日 08:23

地域医療への貢献を誓って飛騨市民病院の黒木嘉人院長(右)と固く握手を交わした堀之上さや子さん=飛騨市神岡町東町、飛騨市民病院

地域医療への貢献を誓って飛騨市民病院の黒木嘉人院長(右)と固く握手を交わした堀之上さや子さん=飛騨市神岡町東町、飛騨市民病院

 高山西高校(岐阜県高山市下林町)をこの春卒業した堀之上さや子さん(17)=飛騨市古川町東町=が岐阜大(岐阜市柳戸)医学部に新設される「地域医療コース」に進学する。医師不足にあえぐ古里の現状を憂い、同コースを志望した。堀之上さんは「将来必ず地元の病院で働きたい」と意気込んでいる。

 「高齢化が進み、在宅医療など地域に根ざした医療の形が生まれると思う。若手として力になりたい」。2月に行われた同学部地域枠推薦入試の合格報告に飛騨市民病院(同市神岡町東町)を訪れた堀之上さんは、晴れやかな笑顔でお礼と決意を述べた。試験前に地域医療の現状などをアドバイスした黒木嘉人院長は「幅広い視野を持ち、知識と技術を磨いてほしい。一緒に仕事ができる日を待っています」と激励した。

 堀之上さんが医師を志したきっかけは、顔の左側を覆う顔面血管腫。小学生の頃は日焼け止めをしなくては屋外で遊べないなど、苦労が続いた。小学6年生のとき、顔に傷のあるミュージシャンとの出会いが転機となり、同じような苦しみを抱える人たちを癒やしたいと、皮膚科医を志すようになった。高校生のときに打ち込んだ研究で地元の医師不足を知り、現在は内科の診断と治療を総合的に判断する総合内科専門医を目指している。

 堀之上さんが合格した岐阜大医学部地域枠推薦入試は、県内の地域医療に貢献したい人向けの入試で、新年度から「地域医療コース」が開設される。自治体から修学資金が貸与され、県内の医療機関で一定期間勤務すると返還が免除される仕組み。黒木院長は「当院の常勤医師は現在6人で、2004年の半数に減った。地域そのものの存続に関わる深刻な事態。(同コースは)地元への就労を促す欠かせない仕組み」と期待する。堀之上さんは医学部で6年間学んだ後、研修医などとして少なくとも2年間を同病院で勤務する予定だ。

 地域医療の担い手を志す堀之上さん。古川中学校時代は中日期待のルーキー根尾昂選手と学力を競い合った仲で、「根尾君はプロ野球選手としてスタートを切り、先を越されてしまった気がしていたが、私も合格して医師になるための一歩を踏み出せた」と胸を張った。


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