言葉の壁越え支援 県内在住外国人、進む多国籍化

2019年03月18日 08:29

  • 外国人からの生活相談に応じている相談員。4月から相談員を増員し、ベトナム語にも対応する=15日午後、岐阜市柳ケ瀬通、県国際交流センター 
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 岐阜県内の在住外国人の"多国籍化"が進んでいる。県によると、過去最多の5万7250人となった2008年は最多のブラジル人と中国人で7割近くを占めたが、昨年末時点での最多はフィリピン人で、技能実習生や留学生の多いベトナム人が急増するなど構成が変わってきた。改正入管難民法の施行でさらなる増加が見込まれる中、言語の種類が増えることを受けた言葉のサポートなど、地域での暮らしを支える体制づくりが求められている。

 県によると、県内の在住外国人数(昨年末時点)は5万3445人。市町村別では岐阜市の9311人が最も多く、可児市7349人、大垣市5120人、美濃加茂市4942人と続く。岐阜労働局などによると、県内で外国人労働者を雇用する事業所は昨年10月末時点で3864カ所と、4年連続で過去最多を更新している。

 08年9月のリーマン・ショックを受けて県内でも失業が相次ぎ、16年までにブラジル人は半減、中国人は技能実習生が半減した。一方で、期間に制限がない在留資格「永住者」を取得する人とその家族が増えており、06年の19・4%から昨年は47・6%に。住民最多のフィリピン人はこの割合が約6割と高い。ブラジル人では永住者が08年は約4割だったが、16年は7割を超え、近年は美濃加茂市や可児市を中心に再び住民が増えつつある。

 改正法では海外から新たな人材を受け入れるのに加え、既に日本にいる技能実習生を「特定技能」に移すケースを想定する。また、在留期間が最長5年の特定技能1号から同2号へ移行すると年数の制限がなくなり、技能実習制度では不可だった配偶者や子どもなど家族の帯同もできるようになる。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの南田あゆみ主任研究員は「企業だけでなく、多言語化への対応など、行政を含めた広域での支援体制強化を考えていく必要がある」と指摘する。

 外国人住民向けの相談窓口を開設する県国際交流センター(岐阜市柳ケ瀬通)では4月から、相談員を1人増員し、英語やポルトガル語など5カ国語に対応。ベトナム語でも受けられるようにする。

 同センターの桂川弥代さんは「新制度でニーズがどれほど増えるかは読めないが、おそらく言葉の面で苦労するだろう」と話す。現在は「自動車税の通知が来たが読めない」「子どもの進学で悩んでいる」といった相談を電話で受けることが多いが、今後は個別のブースを設けるなど、より利用しやすい環境整備にも取り組む。


カテゴリ: 社会