市場、大口取引先失う 豚コレラで県内最大殺処分

2019年04月18日 07:48

豚コレラの発生が確認された養豚場の入場ゲートで消毒の消石灰をまく関係者=17日午後2時39分、恵那市内

豚コレラの発生が確認された養豚場の入場ゲートで消毒の消石灰をまく関係者=17日午後2時39分、恵那市内

 豚(とん)コレラ感染が17日に判明した岐阜県恵那市の養豚場は、県内で2番目に多い約1万頭を飼育していた。県は16日に有識者会議で豚へのワクチン接種の協議を始めたばかりで、接種に慎重な農林水産省の関係者も「今回は大規模でショック。昨日までとは状況が違う」と戸惑いを隠さない。出荷先の岐阜市食肉地方卸売市場にとっては「大口」の取引先を失う事態となり、市場経営や豚肉流通への影響を懸念する声も上がる。

 「このままでは県内養豚業は壊滅する」。県養豚協会の吉野毅会長は声を荒らげる。16日に県庁で有識者会議に出席し、豚へのワクチン接種の必要性を訴えたところだった。「生産も流通もダメージが大きく、皆が精神的に疲れ切った。もうワクチンを打たせてほしい」と切望する。

 同業者の間では、人材の流出も深刻という。会員の中には生活の糧を失い、やむなく跡継ぎをアルバイトに出したり、苦労して育てた従業員を失ったりした農家もいる。「なり手が少ない業界。若手は協会の青年部を設立し、勉強会を開いたりして頑張っていたのに」とうなだれる。

 恵那市の養豚場から持ち込まれた豚の殺処分や消毒作業が行われる同市場では、関係者が「かなりのダメージ」と漏らす。年間7万頭ほどを扱う中、1万数千頭の取引を失う。一連の問題で、消毒などのために市場を閉場するのは今回で4回目だ。「職員が休日に出勤し、疲労もたまっている。早く収束してほしい」と願う。

 農水省はワクチン接種を判断する目安の一つに「大規模農場での複数発生」を挙げている。今回の約1万頭の殺処分をどう判断し、衛生管理の状態をどうみるのか、17日に発生養豚場へ入った国の疫学調査チームの報告が注目される。


カテゴリ: 社会