大仏殿に竜の天井画 岐阜市の正法寺

2019年04月27日 08:01

1823年に描かれたとされる竜の天井画の赤外線写真。雲の中を躍動する竜の姿が確認できる(麓和善教授提供)

1823年に描かれたとされる竜の天井画の赤外線写真。雲の中を躍動する竜の姿が確認できる(麓和善教授提供)

 岐阜市教育委員会は26日、国の重要文化的景観の構成要素の一つ同市大仏町の正法寺の岐阜大仏や大仏殿の調査で、同殿で江戸時代後期の1823年に描かれたとされる竜の天井画が見つかった、と発表した。一方、屋根瓦の製造年も分かり、同殿の建立時期も明らかになりつつあり、専門家は「文化財の価値が高まった」としている。

 同寺では、1832年に岐阜大仏として知られる本尊が完成。大仏殿の建立年代は明らかになっていなかった。高さ約13・7メートルの大仏は県重文、大仏殿は市重文に指定されている。

 市教委によると、竜の絵は、大仏の正面の約10メートルの高さにある約4メートル四方の天井で発見。同市鷺山の法光寺の住職だった画家矢島一円(鶴仙)の晩年の作で、雲の中を躍動する姿が描かれている。竜は仏教を守る「八部衆」の一つで、建物を守る役割がある。

 絵は墨で描かれたとみられ、建物の下からは確認できないが、調査で天井に足場を組んだ際に見つかった。現在、県内の寺3カ所で、竜の天井画が県の重要文化財に指定されている。

 一方、同殿2重の屋根にある鬼瓦には「文化元」の文字が記され、同殿が建設中だった1804年に作られたことが分かった。3重の屋根の鬼瓦には「明治九丙」と記され、1876年に3重に改修した際に作られたとみられる。これらは地誌や正法寺所蔵の記録集の記述と合致するという。

 名古屋工業大大学院の麓(ふもと)和善教授は「大仏殿は竜の天井画の描かれた時期や作者などが分かり、瓦銘から不詳とされていた建立年代もほぼ明らかとなり、文化財の価値がさらに高くなった」とコメントした。

 調査は、保存や修理のため、昨年5月から実施。本年度も引き続き行われる。


カテゴリ: 社会