岐阜に辛口評価? ミシュラン「三つ星」ゼロ

2019年05月19日 08:32

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  • 書店の店頭に並んだ「ミシュランガイド愛知・岐阜・三重2019特別版」=18日午後0時20分、三省堂書店岐阜店 

 日本ミシュランタイヤ(東京都)が17日に発売した飲食店や宿泊施設の格付け本「ミシュランガイド愛知・岐阜・三重2019特別版」。初の東海3県の特集で、岐阜県は最高評価の三つ星に選ばれた店が唯一ゼロだったほか、掲載店舗数も117軒で愛知の302軒、三重の209軒に水をあけられた。「次は三つ星を」。関係者からは早くも巻き返しを期す声が上がる。

 JR岐阜駅の商業施設に入る三省堂書店岐阜店で、平積みにされた赤い冊子に来店客が次々と手を伸ばしていた。「好調な売れ行き。発売前から注目度が高く、半年前に予約が入っていた」と女性店員。ポスターやポップを至る所に掲示し、レジの横にも冊子を置いて関心を引き付ける。

 ただ、内容は岐阜県には辛口の評価となった。三つ星は愛知が2軒、三重は1軒。二つ星は岐阜が3軒で、三重の2軒より多いものの愛知は9軒。一つ星は岐阜9軒、三重8軒に対し愛知は34軒と圧倒する。良質な食材を使った丁寧な仕上がりで価格以上の満足感が得られるとする項目「ビブグルマン」でも愛知50軒、三重40軒に対し、岐阜は12軒にとどまった。

 同社によると、評価基準は素材の質や料理技術、独創性など5項目。今回の特別版では、昨年秋から社員の匿名調査員が実際に店へ足を運んできた。岐阜への「辛口評価」に、伊東孝泰事業開発担当部長は「あくまでも基準に照らし合わせた結果。岐阜は掲載された宿泊施設の多さで特徴が出た」。リストに入った旅館は岐阜23軒で愛知9軒を大きく上回った。

 東海地方の食文化に詳しい地域史研究家の松尾一さん(71)=岐阜市加納中広江町=は「地域の味は人々が時間をかけてなじんでいくもの。みそ一つ取っても多様で個性の強い東海地方の味を比べるには、調査期間が短すぎる」と指摘する。

 二つ星に輝いた瑞浪市陶町の郷土料理店「柳家」の山田剛之(まさし)統括店長は「選ばれたのは光栄だが、地元勢としては悔しい評価」と語り、「ライバル店としのぎを削りながら、一緒になって岐阜の食を盛り上げたい。そして次は三つ星を取る」と力を込めた。

 【ミシュランガイド】 19世紀末、自動車用タイヤの開発で成功を収めたフランス・ミシュランが、車での移動を快適に過ごせるよう、タイヤの使い方や修理方法のほか、宿泊施設などを冊子にまとめたのが始まり。社員による匿名調査が特徴。対象は長らく欧州のみだったが、2005年に初めて北米版が登場。国内では07年にアジア初となる東京、09年に京都・大阪の発行が始まり、毎年更新。12年の北海道を皮切りに、各地域を単発で紹介する特別版を刊行している。


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