県内イノシシ捕獲強化 県が豚コレラ新対策案提示

2019年05月23日 07:42

 岐阜県などで家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の感染が広がっている問題で、県は22日、ウイルスを媒介しているとされる野生イノシシの捕獲を強化する新たな対策案を示した。感染状況の把握と個体数の削減を目的に感染イノシシが発見された地域で実施していた「調査捕獲」を県内全域に拡大する。県内では例年1万頭が有害捕獲と狩猟で捕らえられているが、本年度は約1万3千頭を目標に設定して生息数を減らし、感染の拡大防止につなげる。

 対策案は県庁で同日開かれた有識者会議で提示、了承された。県によると、環境省の2014年度調査に基づき、県内には約1万6千頭のイノシシが生息すると推計。自然増を考慮し、3年間捕獲し続けた場合に理論上ゼロになる想定で目標数を算出した。

 同案では、7月~10月14日と来年3月16日以降は調査捕獲地域をイノシシの生息していない8市町を除いて県内全域に広げる。狩猟期を前倒しした上で10月15日から来年3月15日の間は飛騨と西濃の一部の9市町村を狩猟地域、他を調査捕獲地域(8市町を除く)に設定。有害捕獲の奨励金は1頭1万5千円に県負担で5千円を上乗せし、県独自に狩猟の報奨金制度も創設して捕獲を後押しする。

 捕獲の強化に関し、県は奥深い山林や県境を往来するイノシシがいることから「全頭捕獲は現実的ではない」と根絶は否定。イノシシ向けの経口ワクチンの効果的な散布にも生かすため、県独自にあらためて生息数の推計にも取り掛かる。

 県によると、7月開始の3回目となるワクチンの散布は感染イノシシの発見地の拡大に伴い、これまでの21市町から23市町村に広げる。2回目と比べて1・7倍の1600カ所に計4万8千個のワクチンを地中に埋める。


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