アレルギーの子どもらに笑顔を 安心して食べられるチョコ人気

2019年05月24日 09:03

「チョコレートを通じて社会に貢献したい」と語るアレルゲンフリーフーズの可児浩二社長=各務原市那加前野町、同社

「チョコレートを通じて社会に貢献したい」と語るアレルゲンフリーフーズの可児浩二社長=各務原市那加前野町、同社

 一生食べられないと思っていたからうれしい―。アレルギーを引き起こす可能性のある特定原材料など27品目を含む原材料を一切使わないチョコレート「アレルゲンフリー」を製造する岐阜県各務原市那加前野町のアレルゲンフリーフーズには、食物アレルギーに悩む子どもたちのこんな声が届く。社長の可児浩二さん(66)の「チョコレートを通じて社会に貢献したい」という思いから生まれた商品は、初めてチョコレートを口にする子どもたちに笑顔を咲かせている。

 可児さんは、同市の菓子製造、日幸製菓の経営の第一線を退きアレルゲンフリーフーズを2017年に設立。製造には、アレルギーの元になる牛乳や大豆などの混入はもってのほか。原因となる物質を排除した工場で、混入防止の対策を立てた特別な管理が必要となる。「40年以上チョコレートを作ってきた自分にしかできないこと」と奮起し、さまざまな課題をクリアして同年に第一弾を発売。昨年9月には「もっと苦みを抑えたチョコが食べたい」という子どもたちの声に応えて、第二弾のマイルドチョコレートを発売すると、販売網は徐々に拡大。現在では全国チェーンのドラッグストアなどの店頭にも並ぶようになった。

 同社のもう一つの特徴は高齢者の採用。工場内では、70代を中心に可児さんを含む計7人が、和気あいあいとチョコレートを製造する。「元気で働く意欲もあるのに、働く場がない高齢者が多い」現状に疑問を感じた可児さんは、週3日、1日4時間勤務の条件で高齢者を雇用。「毎月の賃金があれば趣味を楽しんだり老後も豊かに過ごせる。体も動かせて健康にもつながり、仲間との交流の場にもなる」と話す。

 可児さんは「きめ細かい対応ができる中小企業ならではの強み。自分のチャレンジを見て、ほかの業界の中小が技術や経験を生かしてニッチな市場に挑むようになってくれたら」と願う。

 新たな展開として、パンを製造する会社と連携したチョコクロワッサンの開発など、食物アレルギーのある子どもたちが食べられる、チョコレートを使ったさまざまなおやつの開発につなげている。「家族や友達と一緒に同じ物を食べられる、そんな時間が子どもたちにとって一番うれしいのではないか」と目を細めている。


カテゴリ: くらし・文化 社会