柳ケ瀬にかつてのにぎわいを ビル購入、市民活動の場に

2019年06月09日 08:05

購入したビルを活用し、柳ケ瀬を活性化しようと奮闘する水野琢朗さん=岐阜市柳ケ瀬通、オーダースーツ専門店「サツキテーラー」

購入したビルを活用し、柳ケ瀬を活性化しようと奮闘する水野琢朗さん=岐阜市柳ケ瀬通、オーダースーツ専門店「サツキテーラー」

 かつてすれ違う人と肩がぶつかり合うほど栄えていた岐阜市の柳ケ瀬商店街。同市柳ケ瀬通のオーダースーツ専門店「サツキテーラー」代表の水野琢朗さん(30)は、購入したビルを活用し、往時のにぎわいを取り戻そうと奮闘している。昨年8月に築50年以上の5階建てビルを購入し改装。自身の店舗のほかに、学生らのまちづくり研究拠点が新たに入居し、市民団体が活動発表できる貸しスペースも設けた。総投資額は約3千万円と決して安くないが、「ビルを柳ケ瀬復興の中心地にしたい」と、今後もまちづくりに積極的に関わっていく。

 水野さんは多治見市出身。大学卒業後、教育関係の会社に勤めたが、従来から興味のあったファッションの仕事に携わりたいと、2016年に柳ケ瀬に店を開いた。

 現在、柳ケ瀬では、高島屋南地区市街地再開発事業で高層ビルの建設が進んでいるほか、複数のマンション建設計画もある。居住人口が増加すれば、まちがにぎわう。「柳ケ瀬が上向く空気感がある」と実感。遊休不動産を活用するリノベーションまちづくりに市が取り組んでいることもあり、「令和という新時代の柳ケ瀬を活性化するため、自分から動こう」と決意。ビルの購入に踏み切り、1階に店を移転した。ビルは「皐月(さつぎ)会館」と名付けた。「『会館』という字のごとく人が出会う場になり、五月晴れのように柳ケ瀬を照らす光になりたい」と話す。

 皐月会館は柳ケ瀬本通りに立地し、延べ床面積約450平方メートル。2階はもともと入居している飲食店があり、5階は自宅にした。4階には、岐阜市立女子短期大(同市一日市場北町)生活デザイン学科の臼井直之助教(36)=建築計画=や学生らの拠点が入居。現場で中心市街地のまちづくりの現状を認識し、今後の研究に反映しようと今月始動した。技術の向上に役立ててもらおうと、学生が壁に塗装するなど改装に携わった。このフロアには、市民団体の活動発表や演劇、落語のほか、打ち合わせなどに活用できる貸しスペースも用意した。

 空いている3階は、手芸が趣味の主婦らにミシンを貸し出したり生地を提供したりして作業できるスペースにする計画。将来、柳ケ瀬で出店する人がここから飛び立つことを願っている。


カテゴリ: くらし・文化