開胸手術せず心臓弁治療 県総合医療センター、高齢者にも対応

2019年06月12日 08:05

マイトラクリップを県内で初めて成功させた医師、看護師ら=岐阜市野一色、県総合医療センター

マイトラクリップを県内で初めて成功させた医師、看護師ら=岐阜市野一色、県総合医療センター

 岐阜市野一色、岐阜県総合医療センターは、心臓内の弁がうまく閉じなくなり血液が逆流する「僧帽弁(そうぼうべん)閉鎖不全症」の患者に対し、開胸手術をせずにカテーテルとクリップで治療する「マイトラクリップ」を県内で初めて実施した。日本循環器学会の認定を受けた病院のみが導入でき、東海地方でも5施設目。高齢などの理由で外科手術を諦めていた患者に朗報となりそうだ。

 同不全症は、左心房と左心室の間にある二つの僧帽弁がうまく閉じなくなる心臓病の一種で、全身に送られるべき血液が逆流し、心不全を引き起こす。全国に患者が推定で200万人いるといわれる弁膜症の中でも最も多く、高齢化とともに患者が増えている。

 同センターによると、マイトラクリップの治療は、直径約8ミリのカテーテルを脚の付け根から挿入。約15ミリのクリップを心臓内に送り込み、二つの僧帽弁を挟むことで働きを補う。所要時間は麻酔を含め約2時間半。体への負担が少なく、入院も数日で済むという。

 施術した循環器内科の後藤芳章医長(40)は「世界の治療例でもトラブルは数%で安全度は高い」、矢ケ﨑裕人医師(34)は「あくまで第一選択は外科手術だが、高齢などの理由で手術ができない人は多い。薬で治療中だが息切れや動悸(どうき)などの症状が残っている人は、気軽に問い合わせてほしい」と話している。

 同センターは5月14日に81歳の男性に、同治療を初めて実施。その後、89歳男性、81歳男性と毎週治療実績を重ね、今月4日には98歳女性に実施。いずれも数日後に退院した。


カテゴリ: 医療