笠松の競走馬、住宅地へ脱走 車エンジン音で暴れ出す

2019年06月13日 09:01

競走馬が逃げ出した笠松競馬場円城寺厩舎の出入口=12日午後0時20分、羽島郡岐南町薬師寺

競走馬が逃げ出した笠松競馬場円城寺厩舎の出入口=12日午後0時20分、羽島郡岐南町薬師寺

 12日午前9時45分ごろ、岐阜県羽島郡笠松町円城寺の笠松競馬場円城寺厩舎(きゅうしゃ)から競走馬が逃げ出した。約5分後に、厩舎から東へ500メートルほど離れた町道で厩務(きゅうむ)員が馬を捕まえた。けが人はいなかった。

 競馬場を運営する県地方競馬組合と、岐阜羽島署によると、逃げたのは雄の4歳の競走馬。敷地屋外での放牧を終えて厩舎に戻す途中、ごみ収集車のエンジン音に驚いて暴れ出し、厩務員の握っていた手綱を切って近くの北側出入口から逃げた。馬はJR東海道線を越え、国道22号から西へ約200メートルの住宅地で捕まった。

 厩舎出入口には、馬の脱走を防ぐための遮断機が設置されているが、当時はごみ収集車が敷地を出るため遮断棒は上がった状態だった。放馬を知らせる厩務員の声を聞き、警備員が遮断棒を下ろしたが間に合わなかったという。

 笠松競馬場では2013年10月、競馬場から脱走した競走馬が同郡岐南町の公道で軽乗用車と衝突し、男性運転手が死亡する事故が発生した。

◆地域住民「またか」 13年の事故と状況類似

 羽島郡笠松町の笠松競馬場の円城寺厩舎で12日に起きた競走馬の脱走。2013年に競馬場から逃げた馬が車と衝突し運転手が死亡した事故を受け、県地方競馬組合は再発防止策を強化してきたが、関係車両が通るため出入り口が開いたわずかな時間に逃げ出した。厩舎近くの住民からは「またか」と諦めに似た声も聞かれた。

 笠松競馬場は、厩舎が離れた場所に立地する全国で珍しい競馬施設。円城寺厩舎は競馬場から約1・5キロ離れており、馬の移動時は出入り口を開け閉めし、一部公道を歩かせている。13年の事故後、競馬組合は再発防止に向けた対策マニュアルを策定。競馬場の出入り口に柵を増設し、馬の専用道と公道の交差点には警備員を配置するなどした。

 だが昨年1月、競馬場と厩舎の間の馬道から逃げ出そうとする事案が発生。年2回実施してきた対応訓練の回数を増やし、内容も見直そうとしていた矢先に今回の脱走が起こった。

 馬の脱走防止を兼ねた出入り口の遮断機が一時的に上がった状態で、競馬場の出入り口の鉄柵が開いていたため馬が逃げ出した13年の事故と重なって見える。

 今回逃げた馬が捕まった場所の近くで自動車整備業を営む男性(46)は「安全に気を付けている姿を見てきたのに、また逃げ出したのかという感じ。大事故になった可能性もあるので、しっかりと対策を取ってほしい」と求める。

 競馬組合は「ソフト、ハードの両面で従来とは違った形の対策を講じる必要がある。所管の農林水産省の指導も受けながら、再発防止に努める」とコメントしている。


カテゴリ: 社会