幾里茶会、非日常味わう 幻想的な竹あんどん、BGMはジャズ

2019年06月23日 09:01

  • ふすまに竹のシルエットが映し出され、あんどんの明かりの中で行われた茶会=下呂市金山町菅田笹洞、長尾屋敷 
  • 小刀を使って菓子ようじを作る来場者=下呂市金山町菅田笹洞、長尾屋敷 
  • 茶会で提供された幾里の茶葉を練り込んだ和菓子。後方は菓子ようじに使われたクロモジの枝=下呂市金山町菅田笹洞、長尾屋敷 

 江戸時代、現在の岐阜県下呂市金山町菅田地区に居を構えていた豪商、長尾家から京都の公家、九条家に銘茶「幾里(いくさと)」を献上していた史実にちなんだ茶会が、同町菅田笹洞の古民家、長尾屋敷で開かれた。企画したのは幾里の名を広める活動を展開している町内のグループ「いく里の会」。一風変わった茶席を楽しんでもらおうと、竹あんどんなどによる薄暗い空間を演出した。

 市内外から70人余りが訪れ、表千家の三嶋幸恵さん(81)=同町=とその社中が抹茶をもてなした。菓子は同町の「三津屋製菓舗」に特別注文して作ってもらった煎茶「特選幾里」の茶葉を練り込んだ和菓子を用意した。

 ふすまの障子には黒竹のシルエットを浮かび上がらせ、軽快なジャズをBGMに流した。来場者は同町内の山から切ったクロモジの枝を材料に自身で作った菓子ようじを使用。銘茶の歴史を感じながら、異空間での茶席を堪能した。50代女性は「ユニークで趣のある茶会を十分楽しめた」と話していた。

 九条家から長尾家に贈られ、幾里と名付けられるきっかけになった短歌の臨書が床の間に飾られた。「いく里の つき乃ひ可里も 丹保(にほ)ふら舞 む免佐(めさ)くや万(ま)の 三年農(みねの)春閑勢(はるかぜ)」

 いく里の会会長の丸川勝彦さん(60)は「五感を刺激する茶席を演出した。非日常的な雰囲気を体感してもらえたと思う。幾里の知名度を上げながら、地元で新しい茶文化をつくっていきたい」と語った。


カテゴリ: くらし・文化

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