外国人向けに絵柄アレンジ オゼキが盆提灯の新商品強化

2019年07月06日 08:36

  • 源氏物語の絵柄を取り入れた新しい盆提灯。都内の百貨店で6月から販売を始めた 
  • 写真立て付きの盆提灯。リビングに飾りやすいデザインに仕上げた 

 岐阜提灯(ちょうちん)を製造するオゼキ(岐阜市小熊町、尾関守弘社長)は盆提灯の新商品開発を強化する。来年の東京五輪・パラリンピックで増加が見込まれる外国人観光客向けに源氏物語の絵柄を描いた復刻版を製作するほか、スペースをとらない写真立て付き商品の販路を広げ、新たな需要を掘り起こす。仏間を置かない都市部の住宅など生活様式の多様化で従来の盆提灯の需要は減少傾向にあるため、商品のラインアップを増やし、5年をめどに盆提灯全体に占める新商品の売り上げを20%程度まで高める。

 源氏物語の絵柄の提灯は戦後に製作し、進駐軍の土産品として人気を集めた。今回は、外国人向けに日本らしい古典文学の絵柄を取り入れるため、社屋に保管してあった源氏物語の絵柄を使って商品化する。6月19日から7月上旬まで東京の伊勢丹新宿店で試験的に販売している。

 仏間のないマンションなど都市部向けの商品にも力を入れる。写真立て付きの商品は、提灯とドライフラワーを組み合わせ、ペット供養などでのニーズも見込む。尾関社長は「地方から都市部に移り住んだ人は、大きな提灯を置く場所がない。リビングでも飾れるようなデザインにした」と話す。

 盆提灯は、亡くなった人の家族が初めて迎える初盆に合わせ、故人の親戚や友人らが供養のために贈る。床に置く三本足の「大内行灯(あんどん)」など大型商品が主流だったが、生活形態の変化に伴い、同社は2000年ごろから洋間やリビングに置きやすい小型の盆提灯の開発に取り組んできた。

 尾関社長は「最近は介護施設で最後を迎えるお年寄りが増えたことや家族葬の増加で故人に盆提灯を送る風習が薄れている。1、2年で新しい提灯のニーズを探りたい」と話している。


カテゴリ: 経済