「金銭要求されていた」 中3死亡、いじめ5月末から激化

2019年07月06日 08:25

 「2万円の金銭を要求されていた」「校内のトイレで土下座をさせられていた」「蹴られたり、びんたをされたりしていた」。岐阜市の市立中学校3年の男子生徒(14)が市内のマンションから転落死したとみられる問題で、同級生が4日以降、男子生徒のいじめについて口を開き始め、男性生徒が置かれた苦しい状況が明らかになってきた。

 男子生徒が転落死した翌日から、同級生たちが自発的に担任教諭に口頭や生活ノートを通じて男子生徒へのいじめがあったことを伝えた。いじめは5月末からエスカレートした可能性があり、男子生徒6、7人が関わっていたとみられる。男子生徒が金銭を要求されたり、トイレで土下座させられたりする場面を目撃したとの情報が十数人の生徒たちから寄せられたという。

 市教育委員会は今後、第三者による調査委員会で解明していく。

◆「SOS」共有されず 担任教諭がメモ廃棄か

 「『大丈夫』と聞いたら『嫌だ。やめてほしい』と言っていた」「私も戦うので(先生の)力を貸してほしい」。いじめを受けていたという男子生徒の同級生の女子生徒が助けを求めるメモを男性担任教諭に提出していた。しかし女子生徒が発した「SOS」は校長ら中学校内で情報共有されなかった。記者会見に同席した校長は「共有されていれば(いじめを)防げた可能性が高い」と謝罪した。

 市教育委員会によると、女子生徒のメモは、ルーズリーフ1枚に男子生徒へのいじめの内容が時系列で複数記され、「本当は言いたくないけれど、自分にできることはやりたい。私も戦うので(先生の)力を貸してほしい」と切実な訴えがつづられていた。

 担任は「任せて下さい。完璧にいじめです。指導します」と生活ノートに書いて返答し、いじめたことを指摘された男子生徒2人や亡くなった男子生徒らと個別に面談。亡くなった生徒はいじめと思われていることに驚いた様子だったことから、担任は指導で解決したと考え、メモを他の書類と一緒にシュレッダーにかけた可能性が高いという。管理職には女子生徒の切実な訴えは伝わらなかった。

 また、亡くなった生徒は1、2年生の時に他の生徒から暴言を吐かれたり嫌なことを言われたりしたことがあると学校に伝えていたが、情報は生かされなかった。

 校長は「危機意識の低さや情報共有されない体制に甘さがあり、いじめを認識できなかった」と釈明し、頭を下げた。


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