リーグワースト2位の得点力 FC岐阜、大胆なパス攻撃で活路

2019年07月11日 07:33

  • 試合中、選手へと指示を出す北野監督。J2残留とさらなる順位上昇への手腕に期待がかかる=6月30日、東京V戦、長良川競技場 
  • 練習でパスを出すMF塚川=岐阜市北西部運動公園 
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 「42・9%」。J2から下部リーグ(13年まではJFL、14年以降はJ3)への降格が始まった2012年以降、前半戦終了時点で最下位チームの"降格回避率"だ。

 失点をしても奪い返す力強さを見せていた岐阜にとって、J2ワースト2位の18得点は、厳しい現状を示す数字。細かいパス回しを駆使した攻撃は、相手ゴール前で脅威を与えない場面も多く、カウンターから失点を重ねる場面が続いた。

 「走る距離を伸ばし、味方を追い越す動きを求めたい。ベースは大木さんが築いた丁寧なサッカーに、自分のダイナミックなサッカーをつけていく」。就任会見で北野監督は、攻撃での修正点を指摘した。

 普段の練習では、パス回しやミニゲームのスペースを広げたことで、長い距離を走る場面を増やし、指揮官の意図を選手に少しずつ浸透させた。2戦した後の天皇杯甲府戦では、俊足のDF藤谷が右サイドを駆け上がって得点を生み出し、そして迎えた第21節福岡戦。川西の先制点、FW前田の追加点はパスをつなぎながらも、縦に速い攻撃で奪った。試合終了間際に勝利を決定付けた川西のゴールも、長い距離を走って生み出した。川西は「選手がどう取り組み、立て直すかが課題」と前を見据える。

 戦術の浸透に期待は持てそうだが、北野監督が1―2で敗れた東京V戦後に、「ストライカーと呼べる選手が少ない」「足の速い選手がいれば(カウンターから)2、3点は奪えていた」と指摘する通り、現状を打破できる選手の獲得も求められている。

 過去に、岐阜も含めて降格を回避できた前半戦終了時降格圏内のチームは、監督交代を図って立て直した一方で、積極的な補強を行った。昨季前半戦21位の京都は、元岐阜のMF庄司を含めて多数の選手を獲得し、降格圏を脱した。「命がけでも補強はやる」とクラブ関係者。19日から移籍のウインドーが開かれる。戦い方が変わった今、チームの巻き返しに、さらなる補強のバックアップが必要だ。

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 明治安田J2は13日、後半戦がスタートする。FC岐阜は第13節から最下位に低迷し、2年半指揮した大木氏から北野監督へと交代した。試行錯誤を繰り返しながら攻守の再建は進んでいるが、J2参入12年目で、降格へ最大の危機を迎えている。残留はもちろん、さらなる巻き返しに向けた課題を探った。

◆FC岐阜に塚川が加入 松本から期限付き

 FC岐阜は10日、J1松本から期限付き移籍でMF塚川孝輝(24)が加入すると発表した。期間は来年1月31日まで。

 塚川は広島県出身で流通経大卒。2017年にJ2岡山に加入し今年、J1松本に移籍。公式戦77試合(J1は3、J2は66試合)に出場し、J2で5得点。クラブによると、ボール奪取に長け、切り替えが速く、攻守と起点となる選手。20日の第23節鹿児島戦から最短で出場できる。

 塚川は10日の練習からチームに合流し、激しい守備からボールを奪い、果敢にシュートを放っていた。塚川は「守備から攻撃への運動量や推進力で苦しいチームを助けたい。岐阜の皆さんと笑顔でシーズンを終わりたい」と力を込めた。

 昨年まで指揮していた讃岐で対戦経験のある北野監督は「体が強く、ロングシュートもある。ボランチでの起用を想定している」と期待を込めた。


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