検診9年前から照合怠る 岐阜市のがん誤通知

2019年07月18日 08:10

 岐阜市が2017、18年度に市のがん検診を受けた女性5人に「要精密検査」や「要注意」の検診結果を誤って「異常認めず」と通知し、うち50代の1人が16日に胃がんで死亡した問題で、少なくとも2010年から、検診結果の入力ミスを防ぐための市職員2人による読み合わせが行われていなかったことが、17日分かった。

 市によると誤通知は、職員が検診機関の結果の入力をミスしたり、市のマニュアル通りに検診結果と入力データを照合するための読み合わせを行わなかったりした人為的なミスが原因だった。市では結果の通知書の送付は、4カ所で行われる。今回の5人のミスは、すべて市内の中市民健康センターで発生した。職員が市のシステムに結果を入力するのを誤り、読み合わせも行われなかったという。

 読み合わせを怠ったのは、いずれも男性の60代の元職員と30代職員。元職員は「1人で確認しても大丈夫だろう」との認識を持ち、危機意識が低かったという。17年度末に定年退職し、後任の30代職員に正しく引き継がれていなかった。上司による確認も不十分だった。

 市のがん検診は、職場で検診を受けられない自営業者ら市民を対象に公民館やコミュニティーセンター、医療機関で行われる。年約4万5千人が受診している。

 大腸がん、肺がん、乳がん、胃がん、子宮がん、前立腺がんの6種類を行い、そのうち、昨年度までは4種類(本年度は3種類)について、検診機関から送られる検診票をもとに、分かりやすく結果を伝えるために市が結果通知書を受診者へ送付している。

 今回、死亡した女性は、今年1月10日に胃がん検診を受診。検診機関から検診の結果、「要精密検査」と判定されたが、市は同月28日に「異常認めず」と誤った内容の通知書を発送した。その後、女性は4月に医療機関を受診し、肺がんと胃がんが見つかった。女性の家族から今月10日に「検診票を見せてほしい」と求められ、ミスが判明した。

 これを受けて市は、保存されている14~18年度の検診を受けた延べ16万人のデータも調べ、死亡した女性を含め、肺がんと乳がん、胃がんの50~70代の5人分の入力ミスを見つけた。

 乳がん検診の啓発活動などを行う県内の乳がん患者の会「あけぼの岐阜」の橋渡智美代表(59)=中津川市=は「検診の啓発をしているので誤通知はショック。検診の信頼が揺らぐ」と憤る。定期的にがん検診を受診している岐阜市の自営業女性(60)は「まさか結果が間違っているとは思わない。今度の検診が心配」と不安な表情を浮かべた。


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