結束中京マジック 甲子園きょう準決勝

2019年08月20日 08:11

星稜と対戦する準決勝を控え、練習の合間に選手たちにアドバイスする中京学院大中京の橋本哲也監督(左端)=19日午前9時44分、大阪府吹田市(撮影・堀尚人)

星稜と対戦する準決勝を控え、練習の合間に選手たちにアドバイスする中京学院大中京の橋本哲也監督(左端)=19日午前9時44分、大阪府吹田市(撮影・堀尚人)

 第101回全国高校野球選手権大会準決勝は20日、甲子園球場で行われる。岐阜県代表の中京学院大中京は第2試合で星稜(石川)と対戦する。"逆転の中京旋風"で創部初の4強入りに導いたのがOBの橋本哲也監督(55)。ここぞの場面での伝令などで、選手の力を最大限に引き出し続けている橋本監督の采配が快進撃の最大の要因。選手が「熱血」と表現する橋本イズムに迫った。

 現役時代は内野手で、当時の中京商を卒業後、亜細亜大を経て社会人野球で活躍し、NTT西日本でコーチを3年、監督を5年務めた。母校の監督に就任し、高校野球の指導者となったのが2015年。現役引退後、コーチになるまで10年間務めた営業マンの経験を生かし、人づくりに力を注ぎ、16年に同高14年ぶりの選手権出場を果たし、自身2度目となる今夏、県高校野球の新たな歴史をひらく躍進を続けている。

 社会人とは違い「高校生には何度も同じことを言い続ける忍耐が必要」と橋本監督。「社会人監督の経験をいかに高校生に伝わるように表現するか」と導き出した答えの一つが、ともにグラウンドで汗を流して選手との絆を深めること。ノックでは体で打球を止めるプレーを実演し、打撃練習中は守備について一番声を出して盛り上げる。

 ユニホームを選手より黒く汚している時もあり、藤田健斗主将が「こんな熱血監督はなかなかいない。勝つしかないと思えた」と語ったように、熱い思いは選手一人一人の心の奥深くにしっかりと伝わっていた。

 ともに汗を流し、選手のことを誰よりも知っているからこそ、ここぞの場面での伝令で、最大限の力を発揮させる言葉を掛けられる。技術的な指示は必要ない。2回戦の北照(南北海道)戦で七回に勝ち越し打を放った藤田主将には「キャプテンとしてお前が決めてこい」と気持ちを高ぶらせ、作新学院(栃木)との準決勝で七回に適時打を放った井上槙士選手には打ち気にはやる様子に「大振りにならず、逆方向を狙え」と指示。伝令役の楠橋壱成選手は「監督の指示は的確で分かりやすい。あの言葉で思い切り振れている」と信頼を口にする。

 「負けたら監督の責任。それくらいのことを彼らはやってきた」と橋本監督。365日、濃密な時間で培った信頼関係ができあがっているからこそ"奇跡"は生まれている。県勢63年ぶりの決勝進出なるか、橋本マジックに注目が集まる。


カテゴリ: 高校野球