岐阜定住、長い目で 県内で高校生通学費助成広がる

2019年08月27日 08:03

バスを待つ高校生。通学費を助成する県内の自治体が増えてきた=郡上市八幡町小野

バスを待つ高校生。通学費を助成する県内の自治体が増えてきた=郡上市八幡町小野

 義務教育ではない高校生を対象に通学費の一部を助成する岐阜県内の市町村が増えてきた。多くは山間部を抱えるなど過疎化や人口減少と闘う地域で、遠距離通学者の負担軽減を図るだけでなく、少子化に伴う地元公立高校統廃合への危機感も背景にある。若者の定住を促し活性化につなげたいと将来を見据えた施策の効果に期待を寄せる。

 何らかの制度で通学費を助成している県内の自治体は高山市、関市、中津川市、美濃市、恵那市、飛騨市、本巣市、郡上市、下呂市、羽島郡岐南町、安八郡神戸町、輪之内町、揖斐郡大野町、本巣郡北方町、加茂郡白川町、東白川村、可児郡御嵩町、大野郡白川村の18市町村。公共交通機関利用者、自治体が運営するバス、転入者が対象など条件はあるが、いずれも自治体が一部を助成する。

 きっかけは公立高校の統廃合、居住地にかかわらず県内すべての高校受験が可能になった2018年度の学区廃止、公共交通機関の維持・存続問題。いずれも、進行する「人口減少」が根幹にある。

 04年に旧7町村が合併して誕生した郡上市。合併時5万人以上だった人口が、19年7月の推計では8割以下の3万9519人に減少。過疎化の進行と若者の市外流出に加え、約1031平方キロメートルの広大な面積と山間部の多い地形から遠距離通学者を抱えており、通学困難者の一部には、親類などを頼って市外への進学を希望する者もいる。

 市は昨年度「将来の活性化には若者の定着が欠かせない。自治体として地元の高校(郡上高、郡上北高)の維持・存続を後押しする」狙いで助成をスタート。対象は、市内に住み長良川鉄道や路線バスなどの公共交通機関を利用して2校に通学する高校生。1カ月当たりの通学費(定期代)が8千円を超える場合、超える金額の半分を補助し、1万2千円を超える場合は特別加算も行う。昨年度は両校生徒の3割に当たる約300人に助成した。公共交通機関撤退による自主運行バスの運営など財政支出が余儀なくされる中、「高校生の通学費を支援することで市内への進学を後押ししたい」(市教委)と語る。

 中津川市は、中津高校との統合で恵那北高校が閉校となった2年後の11年度にスタートした。通学が困難な加子母、付知、福岡地域の保護者の要望に対応、通学費用の格差是正を目的とした。加茂郡東白川村は人口減少対策を掲げ、18年度に始めた高山市は子育て支援も兼ねて実施している。

 少子化が進む中で若者の定住を促し、人口減少に歯止めを掛けたい狙いは各自治体とも共通しており、「地元から通ってもらうことで将来的な定着につながれば」(輪之内町)と期待を寄せている。


カテゴリ: 教育 社会