ヤナゲンありがとう 大垣本店閉店

2019年09月01日 07:36

「ヤナゲン大垣本店」が閉店し、客を見送る従業員ら=31日午後7時30分、大垣市高屋町

「ヤナゲン大垣本店」が閉店し、客を見送る従業員ら=31日午後7時30分、大垣市高屋町

 大垣駅南口の百貨店「ヤナゲン大垣本店」(岐阜県大垣市高屋町)が31日閉店した。小売業の競争激化で業績が低迷、回復のめどが立たないとして、1966年の開業から半世紀以上の歴史に幕を下ろした。閉店式典では詰め掛けたなじみ客らから「ありがとう」と声が上がった。

 式典で遠藤正行社長は「感謝の気持ちでいっぱい。昭和、平成、令和と半世紀以上にわたるご愛顧、ありがとうございました」と頭を下げた。原比敏店長は「今日も朝、シャッターを開けてから数多くの笑顔と出会えた。明日はもうそれはかなわない」。「古里の百貨店として思い出してもらえたら」と続けると、温かい拍手に包まれた。

 この後、従業員が客を見送り、午後7時半ごろ、玄関のシャッターがゆっくりと下ろされた。

 不破郡垂井町の主婦(60)は「ありがとう、お疲れさまと言いたい」と目を赤くした。「贈り物だったり、孫の産着だったり、お金をかけてでも良いものを買うときは決まってヤナゲンだった。やっぱり寂しい」。7年前に名古屋から大垣市に嫁いでからよく利用したという主婦(34)は「アットホームな雰囲気。店員さんがすぐ顔を覚えてくれるのがうれしかった」と惜しんだ。

 大垣本店は1910年創業の呉服店が源流で、61年に開店。66年に百貨店として営業を始め、売り上げを伸ばした。だが、郊外の商業施設や名古屋駅周辺の集客効果に押され、98年ごろから売り上げが減少。2005年から平和堂グループ傘下に入り、経営の立て直しを図ったが、歯止めはかからなかった。

 ヤナゲンは9月28日にショッピングセンター「アル・プラザ鶴見」(同市鶴見町)内のFAL店も閉めて物販事業から撤退する。ただ会社は存続させ、顧客相談窓口業務や不動産事業は続ける。大垣本店跡地の利用法は決まっていない。


カテゴリ: 社会