副業社員、地方企業の星に 恵那市が人材紹介窓口

2019年09月11日 07:43

従業員たちと業務の改善点について話し合う市川祥子さん(右)=恵那市大井町、いち川

従業員たちと業務の改善点について話し合う市川祥子さん(右)=恵那市大井町、いち川

 岐阜県恵那市や恵那商工会議所などが運営する恵那くらしビジネスサポートセンター(恵那市大井町)が、都市部の有名企業やIT系企業の専門的人材と地方の中小企業を副業という形で結ぶ民間サービス「スキルシフト」の窓口を始めた。経営を担う管理職の人材不足に悩む市内中小企業の支援の一環。地方企業に最先端のマーケティングや経営手法を導入する手段として注目を浴びそうだ。

 恵那市大井町の中山道沿いにある創業約400年の老舗旅館いち川。もてなしから経営まで全てを取り仕切る16代おかみの市川祥子さんは「旅館全体のことを考えなければならないし、将来も考えていかなくてはならないし。いっそ、経営企画を外注できないかと思っていた」と利用の経緯を語る。同センターが窓口を始めるに当たりモデル事業を試行するために事業者を募っていることを知り、名乗りを上げた。マッチングの結果、大阪市の医療系企業の経営者を採用し、経営企画の人材として招いた。「まだこれからだけど、旅館を改革するようなアイデアを期待している」と話す。

 スキルシフトは人材紹介業grooves(グルーブス、東京都)がインターネット上で手掛けるサービス。業務改善や販路拡大、情報発信など地方企業が解決したい課題や求める人材を掲載し、都市部の人材が応募する仕組みだ。委託の形を取り、雇用契約を結ばないことから、地方企業にとって都市部の優秀な人材を少ない投資で迎え入れられる利点があるという。

 モデル事業の4事業者のうち、いち川と広告業の2社がマッチングで成功した。しかし、7月の窓口開設後、同センターには数件の問い合わせこそあるが、利用件数はまだゼロ。サービスの利用には掲載料9万8千円、月3万円程度の業務委託費が必要。恵那市は利用を促すため、全体経費の半分(上限10万円)を補助する制度をつくり、初年度は10件の利用を想定し100万円を予算計上した。

 市担当者は「好結果が出れば、利用は増えると見込んでいる。都市部で先進的に始まっているサービスとして事業者にPRしていきたい」と話し、積極的な利用を呼び掛けていく。


カテゴリ: 社会 経済

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