アラーム気付かず、患者死亡 岐阜大病院、蘇生遅れる

2019年09月12日 07:51

 岐阜大病院(岐阜市)は11日、院内で昨年10月、手術後の70代の男性患者が致死性不整脈を起こし、生体情報モニターのアラームが鳴っていたのに気付かず心肺蘇生が遅れ、死亡する医療事故があったと発表した。アラームの音に最初に気付いた看護師が状況を確認するといった院内ルールが守られておらず、病院は経過観察が不適切だったと認めた。

 病院によると、男性は急性心筋梗塞で同6月に循環器内科に入院し、冠動脈を広げる手術を受けた。術後の経過を見るため同10月に検査入院し、冠動脈が再び狭まっていたため手術を受けて一般病室に移ったところ、その日の夕方に致死性不整脈を発症。患者の脈拍や血中酸素濃度などが表示される生体情報モニターがアラームで異常を知らせていたが、誰も対応しないまま約24分が経過し、夜勤の看護師が気付いた時には心停止の状態だった。男性は翌日、死亡した。

 今年4月に設置した外部委員を含む医療事故調査委員会が検証。モニターのある部屋にいるはずだった夜勤の看護師4人は、いずれも他の患者がいる病室にいたためアラームに気付かず、日勤を終えて同じフロアにいた看護師約10人も「誰かが対応していると思い込んでいた」という。

 調査委は「早期に救命処置ができていれば救命率が上昇した可能性はあった」と見解を示したが「除細動ができていたとしても救命に至らない可能性もあり、明確な救命率の差異への言及は困難」と結論付けた。

 アラームは2004年の開院時に導入したが、気付くのが遅れることが課題になっていたという。部屋を離れていても覚知できるよう、今年3月に携帯型の通知システム4台を導入した。

 吉田和弘病院長が記者会見し「遺族の皆さまに謹んで深くおわび申し上げる」と謝罪し、緊急時の対応の在り方を見直すなどの再発防止策を示した。


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