ハチの国勢調査可能に 高校教諭、学術誌に発表

2019年09月17日 07:52

研究成果をビデオ論文で発表した佐賀達矢さん=多治見市坂上町、多治見高校

研究成果をビデオ論文で発表した佐賀達矢さん=多治見市坂上町、多治見高校

 多治見高校(岐阜県多治見市坂上町)教諭で岐阜大応用生物科学部特別協力研究員の佐賀達矢さん(33)=同市美坂町=が、スズメバチ科の女王バチが生涯に生んだハチの数を数える実用的な方法を、オンライン学術誌に発表した。別の学者が提唱した、巣内に残ったふんの数から推定する手法を発展させた形で、佐賀さんは「ハチの国勢調査が可能になった。世界中の学者に広めて、ハチの研究が進歩したらうれしい」と話す。

 佐賀さんによると、ハチの生態を調べる上で女王バチが産んだハチの数の調査は重要になる。現在は「育房」と呼ばれる巣に空いた穴の数を調べる方法が多く用いられているが、一つの育房で2、3匹のハチが育つことがあるため、誤差が生じやすいという。育房内に残ったふんを調べる方法は日本の学者が1975年に提唱していたが、手間が掛かる難点があった。

 佐賀さんは2016年からヘボ(クロスズメバチ)を食べる文化が残る中津川市付知町で研究を開始。六つの巣を採取し、計1万の育房の中に1万5千個のふんがあることが分かった。データを基にパソコンでシミュレーションした結果、多くとも100の育房のふんの数を調べれば、推計したハチの数が、生物学の統計で許される誤差の範囲内に収まるとの成果が得られた。

 研究成果を約7分間のビデオ論文にまとめ、12日に米国のオンライン学術誌に発表した。論文には「蜂追い」という目印を付けたエサを持ち帰るハチを追って巣を見つける伝統的な技法も紹介している。佐賀さんは「論文を海外の研究者にも役立ててもらいたい」と話す。


カテゴリ: 科学