休憩所に「飲食禁止」 複雑な軽減税率、対応を模索

2019年09月19日 11:28

地下1階に設けた休憩用のいす。10月以降は飲食禁止を明記し、飲食スペースとの区分けを図る=18日午後、岐阜市日ノ出町、岐阜高島屋

地下1階に設けた休憩用のいす。10月以降は飲食禁止を明記し、飲食スペースとの区分けを図る=18日午後、岐阜市日ノ出町、岐阜高島屋

 消費税率の引き上げに伴い、外食を除く食料品の税率を8%に据え置く軽減税率制度が始まる。同じ食品でも持ち帰りと店内飲食で税率が異なる初めての制度の導入を控え、飲食店などは対応に追われている。

 「店内飲食と持ち帰りの税率の違いをどのように説明していくか」。岐阜県下呂市と高山市に回転ずし店など3店舗を展開するシーフード・マルイ(下呂市)の担当者は、軽減税率への対応に頭を悩ませる。

 来月からは、店内で食べる場合は「外食」と見なし、税率10%が適用される。購入して持ち帰れば軽減税率の適用で8%のままだが、店内で回っているすしの食べ残しを持ち帰る場合は10%となる。店内にチラシなどを掲示して店内飲食と持ち帰りのルールを告知する予定だが、担当者は「軽減税率の細かい内容を知っている人ばかりではない。会計の際にトラブルにならないようしっかりと周知したい」と話す。

 軽減税率の適用対象の線引きは複雑だ。国税庁のホームページによると、本みりんは酒類と見なして軽減税率の対象外だが、みりん風調味料は8%を適用。金箔(きんぱく)や重曹も食品添加物であれば軽減税率の対象になる。医薬品などに該当する栄養ドリンクは対象外だ。

 中部、関西地方に240店舗以上を展開するスーパーマーケットのバローは、既にレジのシステム改修を終え、各店舗のスタッフが理解しやすいよう客との想定問答も作成した。今月中にスタッフへの周知を図る。レジは商品のバーコードから税率を自動で読み込むが、客からの問い合わせには現場のスタッフが対応することになる。広報担当者は「10月以降は想定外のことも起きてくる。丁寧に対応し、解決事例を重ねていくしかない」と話す。

 一方、食料品を扱う店では、休憩スペースへの対応も求められる。岐阜高島屋(岐阜市日ノ出町)は、館内の休憩用いすのそばに「飲食禁止」をうたったポスターなどを張ることを検討している。

 10月以降は、飲食可能なスペースを店舗併設のイートインコーナーなど一部の場所に限定。買い物客がそれ以外の場所で飲食しないように仕向ける。地下1階の食料品売り場では、専門店の総菜や菓子を持ち帰りで購入する客も多いため、担当者は「持ち帰りなのか店内飲食なのか紛らわしいケースが起きないよう区分けしたい」と話す。

 ただ持ち帰りで購入後に館内で飲食するケースも想定される。担当者は「購入後に気が変わったと言われたら、どこまで厳密に対応できるのか」と持ち帰りを巡る対応に苦慮している。


カテゴリ: 社会 経済