豚にワクチン接種 国の対応後手、不満

2019年09月20日 07:58

昨年9月に国内で26年ぶりに豚コレラの発生が確認された養豚場。飼育する豚全頭を殺処分し、埋却した=岐阜市内

昨年9月に国内で26年ぶりに豚コレラの発生が確認された養豚場。飼育する豚全頭を殺処分し、埋却した=岐阜市内

 豚(とん)コレラ対策として農林水産省が豚へのワクチン接種の方針を固めたことを受け、豚コレラが発生した岐阜県内の養豚農家からは「これで経営再開に向けて踏み出せる」と歓迎する声が上がった。

 県養豚協会の前会長で銭坂畜産(恵那市)の水野良則会長(67)は「多くの豚が犠牲になった。(接種は)うれしいが、決定が遅すぎる。一日も早く打ってほしい」と述べた。一方で「東海地方の養豚農家は苦しみ、真剣に接種を訴えても国は動かなかったのに、関東地方で発生すると手のひらを返すように決めた」と後手に回った対応を強く批判した。

 今年1月に感染が見つかり、飼育する豚1700頭余を殺処分した各務原市の養豚農家の男性(53)は「本当に長かった」と安堵(あんど)のため息を漏らした。

 県養豚協会の副会長として要望活動に奔走しつつ、空になった施設の改修を進めており「これで再開に向けて一歩踏み出せる」と喜んだ。

 また、消費者に向けて「ワクチンを打った豚も安全で安心して食べられることを分かってほしい」と話した。

 県内では昨年9月以来、民間養豚場や県施設など23施設で感染を確認。民間養豚場では全飼育数の53%に当たる約6万2千頭の豚が殺処分された。


カテゴリ: 社会