相次ぐ値上げ、節約志向の高まり懸念

2019年09月21日 11:46

消費税増税に伴い、路線バスの車内に掲示された運賃改定の告知文。10月までに全車両に取り付ける=18日午前、岐阜市内

消費税増税に伴い、路線バスの車内に掲示された運賃改定の告知文。10月までに全車両に取り付ける=18日午前、岐阜市内

 10月の消費税増税に伴い、商品やサービスの値上げが相次ぐ。公共交通機関など消費者に身近な料金も増税分の改定が目立つ。増税の影響で個人消費が冷え込めば、堅調な国内景気が失速する可能性もあり、企業は警戒感を強めている。

 市民に身近な交通機関各社は10月から運賃の値上げに踏み切る。岐阜乗合自動車(岐阜バス)は路線バスの均一区間の210円を220円に値上げするなど運賃の一部を改定。東濃鉄道や濃飛乗合自動車(濃飛バス)も増税に合わせて一部の路線バスや高速バスの運賃を値上げする。県内のタクシーは、初乗り運賃を据え置く一方、初乗りの距離を1・2キロから1・178キロに短縮し、実質的な値上げになる。

 小売業は、増税によって消費者のマインドが冷え込めば大きな影響を受ける。大型商業施設マーサ21(岐阜市正木中)を運営するカワボウの広報担当者は「前回増税時のような落ち込みはないだろうが、今回は目立った駆け込み需要もなく、増税の反動減がどこまで続くかは読めない」と警戒感をにじませる。

 食品業界でも、増税による消費者の節約志向の高まりを懸念する。羽島郡岐南町の菓子メーカーは「軽減税率で商品自体の売り上げは変わらないと見ているが、消費が落ち込めば売り上げに響くだろう」と推測する。軽減税率が適用される菓子は、駆け込み購入の"特需"は期待できない。税率変更に伴うシステム改修費の負担は増える一方で「増税はマイナスのことばかり」とこぼす。

 一方、景気指標は先行きの見通しが悪化している。岐阜財務事務所が11日に発表した7~9月期の県内法人企業景気予測調査によると、全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス12・2で、3四半期連続のマイナス。10~12月期もマイナス16・3と悪化の見通しだ。米中貿易摩擦に伴う中国経済の減速の影響もあり、製造業を中心に先行き不透明感が一段と強まっている。

 景気の落ち込みが長期化すれば、企業の倒産にもつながりかねない。東京商工リサーチが発表した7月の全国企業倒産件数(負債額1千万円以上)は前年同月から14・2%増え、2年2カ月ぶりに800件を超えた。

 県内の倒産件数は今年に入ってから10件前後と落ち着いているが、東京商工リサーチ岐阜支店は「前回のように急激な落ち込みはなくても、間違いなく増税の影響は出てくる」と強調。「米中貿易摩擦や原油価格の高騰が重なれば、増税による落ち込みがボディーブローのように効いてくる。年内には倒産が増える可能性もある」と指摘する。


カテゴリ: 社会 経済