食べ歩き用購入→腰掛けに 軽減税率どっち?

2019年09月24日 07:40

今も観光客が絶えない五平餅の「みはら」。店の前に腰掛けも置くが、軽減税率は食べる場所によって適用されたり、されなかったりする=恵那市岩村町、岩村本通り

今も観光客が絶えない五平餅の「みはら」。店の前に腰掛けも置くが、軽減税率は食べる場所によって適用されたり、されなかったりする=恵那市岩村町、岩村本通り

 10月1日から消費税率が10%に引き上げられる。軽減税率制度が導入され、飲食品などは8%に軽減されるが、同じ飲食品でも店の飲食スペースで食べる場合は10%、持ち帰りと食べ歩きは8%と税率が異なる。さらに、飲食品と組み合わせて販売する器などの価値や取り扱い次第では軽減税率が適用されないこともある。どこまでが対象なのか、岐阜県内の観光地で名物グルメを扱う飲食店からも線引きに戸惑う声が上がっている。

 恵那市岩村町、岩村本通りの「みはら」。五平餅を1本200円で販売する。10月からは店内での飲食は10%、持ち帰りと食べ歩きは8%の消費税が別にかかることをメニュー表に記すという。年間の売り上げが1千万円以下の店は消費税の納税義務が免除されており、店ではこれまで消費税を考慮して価格を決めてこなかった。ところが、昨年放送されたNHK連続テレビ小説「半分、青い。」の効果で売り上げが伸びたため、課税に備えて増税への準備を進めている。

 店の前には腰掛けも置いている。店主の長尾美佐子さん(76)は「そこまでは10%かな」と考える。国税庁の手引きによると、店が管理するテーブルやイスなどの飲食設備を使って食べると「外食」に該当し、標準税率の10%になる。注文を受けるときに持ち歩き(食べ歩き)か、飲食設備を使って食べるかの意思確認をして「判定」する必要があるとしている。それでも、中には食べ歩き用に購入して腰掛けに座ってしまう人もいるかもしれない。

 店では、店で食べる人にお茶と小鉢を無料で振る舞っており、食べ歩きで座った人と区別したらどうかとも言われるが、長尾さんは「おもてなしの気持ちで始めたサービス。税金を多く払った人へのお礼ではない」と対応に悩む。

 県内には高山市の「古い町並み」のみだらし団子や飛騨牛の牛串、中津川市の馬籠宿のおやきなど、食べ歩きとイートインの判定が難しいグルメは多い。国税庁の消費税軽減税率電話相談センターに確認すると、意思確認時の内容が判定基準となるため、持ち帰り(食べ歩き)用に購入した人がその後に店の飲食設備を使って食べたとしても「改めて2%の不足分を清算する必要はない」という。

 海津市平田町、千代保稲荷神社の参道に店舗を構える「玉家」は串カツとどて煮を1本90円(税込み)で扱うが、店内飲食と持ち帰り(食べ歩き)のほか、店先での"立ち食い"も可能だ。同センターは立ち食いの扱いについて、カウンターなどの飲食設備がある場合は10%、ない場合は8%になるとしている。

 玉家は、立ち食いコーナーにカウンターを置いていることから10%になると捉えているが、当面はいずれも税込み90円のまま据え置きたい考え。名物社長の大橋富四郎さんの方針を代弁した男性店員は「増税も消費者には値上げに見える。しばらくは内税で様子を見たい。結果的に、店内飲食と立ち食いは2%値下げすることになるので、お得ではある」と話す。


カテゴリ: 社会