「タバコの害から市民を守る条例」 名称に疑問の声

2019年09月26日 08:14

 「タバコの害から市民を守る条例」―。受動喫煙防止推進を目的に岐阜県多治見市が9月議会で可決を目指す条例案の名称に、愛煙家や地元飲食店などから「製品名を冠するのは行き過ぎではないか」と疑問の声が上がっている。健康増進に主眼を置く市は「分かりやすい名称にしたい」と説明している。

 市は、望まない受動喫煙を防止する改正健康増進法に合わせ、来年4月の条例施行を目指す。

 疑問の声が噴出したのには前段があった。市は当初「受動喫煙防止条例案」の名称で意見公募を実施。その後、「タバコの害から市民を守る条例案」に名称を変えた。製品を特定する名称への変更を受け、喫煙を可能としている小規模飲食店などからも「喫煙する客の排除につながりかねない」との懸念が出て、県喫茶飲食生活衛生同業組合の意見提出に発展した。

 意見公募には市内外から626件が寄せられ、制定の賛否については賛成が2で反対が191、条例名には賛成1で反対20、加熱式の規制には賛成6、反対159だった。

 条例名への意見は「喫煙者を加害者扱いする印象を与える」「たばこは国が認める嗜好(しこう)品なのに」といった指摘が目立つ。一方「加熱式たばこを含む全てのたばこの害に対して市民を守るとの趣旨がよい」との賛成意見も寄せられた。市は「喫煙者を否定するものではない。受動喫煙による健康への影響は明らかとなっており、次世代の喫煙者をつくらないように広く周知するため、分かりやすい名称とした」と理解を求めている。

 特定の製品が条例名に含まれることに、神奈川県「受動喫煙防止条例」の考案にも携わった玉巻弘光東海大名誉教授(行政法)は「好ましいとは言えない。しかし(環境保護など)健康推進以外の目的が条例に含まれているならやむを得ない場合もある」とし、「個人の選択の自由について、公権力がどこまで規制の範囲を広げるかの判断は慎重でなければならない」と話す。

 条例案は27日に市議会本会議で採決される。


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