増税緩和「商品券」笑顔と困惑

2019年10月04日 07:35

プレミアム付商品券を販売するスタッフ(左)=3日午後1時5分、大垣市新田町、市民会館

プレミアム付商品券を販売するスタッフ(左)=3日午後1時5分、大垣市新田町、市民会館

 消費税率の10%への引き上げによる低所得者と子育て世帯への影響の緩和などを狙った内閣府の事業「プレミアム付商品券」。岐阜県内の自治体でも販売され、対象者からは「ありがたい」とする半面、「今回の商品券だけでは増税の負担は消えない」と将来を不安視する声も聞こえてきた。

 同事業では5千円分の商品券1冊を4千円で、対象者1人につき5冊まで購入可能。自治体ごとに登録されたスーパーや飲食店などで利用できる。低所得者は本年度の住民税非課税者が対象。子育て世帯は、2016年4月2日から19年9月30日までに生まれた子どもの人数分を購入できる。

 大垣市では消費税率10%がスタートした1日に同市新田町の市民会館と各金融機関で販売を開始。市民会館では初日は126人が781冊、2日は113人が718冊を買い求めた。3日に訪れた非課税対象者の男性(84)=同市=は8月に受給した年金の一部を取っておいたといい、妻(78)の分と合わせ、上限の計10冊を購入。「年末を前に助かる。正月用品をそろえたい」と笑顔を見せた。

 しかし、非課税対象者は高齢者が多く、500以上ある対象店舗を掲載した冊子の文字が「小さくて読めない」という人も。年の差がある子育て世帯との制度の共通運用の難しさが見えてきた。市社会福祉課は「子育て世帯が購入しやすいよう5日と6日に限り土日も販売する。ぜひ足を運んでほしい」と呼び掛ける。

 3歳の長女がいる各務原市内の30代女性は、購入限度の5冊を買った。「プラス5千円がありがたいのは確か」としつつ、「長い目で見ると今回の増税は家計には負担。増税による出費が今回の商品券で補えるとは思えない」と首をひねる。羽島郡笠松町の1歳9カ月の長男の母親(37)は「販売場所が限られており、乳児を連れて買いに行くのは大変。1袋千円以上する紙おむつを軽減税率に入れてほしかった」とつぶやいた。

 同事業は歓迎されつつも増税の負担と不安の解消には至っておらず、低所得者や子育て世帯を支える制度の充実が求められそうだ。


カテゴリ: 社会