苦学の弁護士、奨学金を設立 「夢を持ってほしい」1億円拠出

2019年10月12日 08:39

1億円を拠出し、苦学生を支える奨学金基金を設立した廣瀬英雄さん=岐阜新聞本社

1億円を拠出し、苦学生を支える奨学金基金を設立した廣瀬英雄さん=岐阜新聞本社

 岐阜市天神町、廣瀬法律事務所の弁護士廣瀬英雄さん(78)が、同市周辺の県立高校に通う生徒の大学進学を支える奨学金基金を設立した。高校から推薦された大学進学者に毎年度5人を上限に、1人月5万円を4年間、返済の必要のない給付型で支給する。苦学して弁護士になった経験を持つ廣瀬さんは「学費に苦労している優秀な若者を支えたい」と話す。

 廣瀬さんは本巣郡北方町出身。小学2年の時に両親が病死し、祖父母に育てられた。新聞配達をして家計を助けたが、高校進学は経済的に難しかった。ただ、中学校の恩師や当時の町長の支えで町役場の仕事を紹介してもらい、働きながら本巣高校の定時制に通うことができた。

 勉強熱心で、常に学び続けた。高校卒業後は労働省(現在の厚生労働省)の岐阜労働基準監督署に就職したが、夜は岐阜工業短大で学んだ。その間に国家公務員上級試験に合格し、東京の本省に転勤。法律を学ぶため夜は明治大法学部に通ったが、28歳の時に司法試験に合格。岐阜に戻って弁護士になった。

 基金は「廣瀬英雄奨学金基金」の名で、廣瀬さんが1億円を拠出して設立。来年度から支給を始める。成績が優秀だが、経済的な理由で大学進学が困難な生徒が対象。毎年度、同市周辺の県立高校から5校を廣瀬さんが選び、各校1人、大学進学を希望する3年生を推薦してもらう。

 廣瀬さんは「貧富の格差が広がっている現状をなんとかしたい。若者に夢を持ち続けてもらいたい。こうした行動を起こすことで、弁護士仲間も続いてもらえたら」と願いを込めた。


カテゴリ: 教育