豚コレラワクチン5万2000頭 月内にも

2019年10月16日 07:34

 農林水産省が豚(とん)コレラの予防的ワクチン接種に向け防疫指針を改定した15日、岐阜県は県内での接種体制や手順を具体的に定めた接種プログラムを同省に提出した。今月中にも獣医師らが県内全域の18農場などで一斉に接種を始める。対象は飼育されている豚とイノシシ計約5万2千頭で、多くの農場では1~2日間で終える見込み。

 県によると、優先して接種するのは18農場に加え、研究用の豚14頭がいる岐阜大、種豚5頭を隔離している海津市の県施設の計20カ所で、同じ日に接種を始める。うち約3万頭を飼育する高山市の大規模農場のみ、5日間程度かかる見込み。愛玩用として豚やイノシシを飼う17戸は、農場などを終えてから接種する。

 接種は獣医師ら5人を基本とする班で、1班当たり千頭を担当する。各施設の防疫体制を確保するため、班は複数の施設を兼務しない。県の獣医師約150人や、民間の獣医師約30人のほか、必要に応じて他県にも応援を要請する。県の試算では、千頭への接種は8時間ほどかかるという。

 ワクチンは生後30日超の豚に接種する。新たに生まれた豚への接種が必要となるため、初回以降は毎月1万1千頭への接種が必要だと見積もった。抗体ができるまで約2週間とされており、確認のための血液検査も併せて進める。事業費は検査も含め約6千万円で、当面は国と県が2分の1ずつ負担。初回の約5万2千頭は農家が負担する1頭当たり310円の接種手数料を免除する方針。

 農水省はプログラムを確認し、県へのワクチン譲渡などの手続きに入る。古田肇知事は「ワクチン接種を迅速に実行しながら、(防疫体制の確立など)さまざまなことに抜かりなく取り組みたい」と述べた。

 また県は、豚コレラの感染が確認され、飼育豚全頭を殺処分した養豚場20施設のうち初めて、瑞浪市内の養豚場が経営を再開したと発表した。2月に感染が判明、5765頭を殺処分した同養豚場は再開に向けて6月から飼育し始めた。試験的な出荷も実施し、今週から週に80頭の安定的な出荷ができるようになった。


カテゴリ: 社会