令和の船出、災害で低調 長良川鵜飼閉幕

2019年10月16日 08:06

鵜飼じまいに観覧船から鵜匠の巧みな手縄さばきに見入る乗船客ら=岐阜市の長良川

鵜飼じまいに観覧船から鵜匠の巧みな手縄さばきに見入る乗船客ら=岐阜市の長良川

 15日に今季の幕を閉じた岐阜市の長良川鵜飼。令和元年の今季の乗船客数は、台風10号などの影響で、過去最低だった昨季に次ぐ9万1178人と低迷。2年連続で自然災害に悩まされ、新時代の船出は順風満帆とはいかなかった。一方来年はNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」が放送され、舞台となる市への観光客増加が予想される。鵜飼への相乗効果が期待される中、市は誘客に取り組み、来季の巻き返しを図る。

 今季の乗船客数は、西日本豪雨などの影響で7万6330人と過去最低だった昨季を上回ったものの、10万人台の大台復活には至らなかった。観覧船の運航中止は10日間で、乗船客約7760人のキャンセルが発生、約2200万円の損失が出た。市鵜飼観覧船事務所の林素生所長は「中止が週末に集中したのが痛手となり残念だ」と肩を落とす。

 8月の台風10号では、長良川が増水し、観覧船の係留所と川の本流を仕切る堤防が崩れ、鵜飼観覧船全45隻のうち4隻が流された。3隻は周辺で発見されたが、1隻は伊勢湾まで到達し、2隻は損傷が激しく廃船を余儀なくされた。この台風により計約3千人の予約がキャンセルされ、復旧額は約250万円となった。同事務所は今後、船の係留方法を変更するなど災害対策に取り組む。

 さらに今年2月には、同事務所の職員(当時)が、船の修理費名目で市から現金をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕され、船の航路整備事業を巡る贈収賄事件で収賄容疑でも逮捕され、いずれも有罪判決を受けた。同事務所には市民から非難の声が寄せられた。

 一方来年、どれだけドラマと鵜飼との相乗効果を実現できるかが鍵となる。9月30日には、市歴史博物館(同市大宮町)内に開設される大河ドラマ館をPRしようと、「麒麟」のオブジェなどで装飾された観覧船を登場させた。

 また、旅行会社はドラマに合わせて市を訪れる旅行プランを計画しており、市は、プランに鵜飼を組み入れてもらえるよう積極的にPRしている。林所長は「チャンスを確実に生かし、多くの人に岐阜の夏の風物詩を楽しんでもらいたい」と話している。


カテゴリ: 社会