高校生「時間返して」 英語民間試験見送り

2019年11月02日 07:30

自習室で勉強する高校生。英語民間試験の導入見送りを受け、学校現場では戸惑いの声などが聞かれた=1日午後4時33分、岐阜市大縄場、岐阜高校

自習室で勉強する高校生。英語民間試験の導入見送りを受け、学校現場では戸惑いの声などが聞かれた=1日午後4時33分、岐阜市大縄場、岐阜高校

 来年度にスタートする大学入学共通テストで導入予定だった英語民間検定試験の見送りが発表された1日、岐阜県内の高校生たちは「振り回された」「正直びっくり」と憤りや戸惑いをあらわにした。一方で、「不安が解消されないまま始まってしまうよりは良かった」と受け止める声もあった。

 岐阜高2年生(16)の学級では朝、試験延期の話題で持ちきりだった。どの試験を受ければ良いか綿密に調べ、民間試験の一つ「英検」の申し込みも済ませていた。「時間とお金を返せって気持ち」と吐露し「大人の都合でなく、試験を受ける私たちの声を聞くべき」と訴えた。

 浪人すれば新制度での再受験になる、現役の受験生も憤った。加納高3年生(18)は、「担任の先生には『これでみんなが浪人しても不利じゃなくなる』と言われたけれど、安全圏で志望校を選ばなきゃ、という自分たちの不安は何だったのか」とふに落ちない様子だった。

 「情報に振り回された」と話すのは、岐阜高の進路指導部長で英語教諭(47)。2年生に12月、ベネッセコーポレーションが運営する「GTEC」の検定版を受けてもらう予定だったが、延期を受けて取りやめる検討に入った。「国の情報提供は全て後手後手で、どうなるか分からないまま時間だけが過ぎた。準備にかけてきた労力を思うと残念」と語った。

 高山市の斐太高では、民間試験の種類によっては市内に受験会場がないため、同市から鉄道を利用して2時間半ほどかかる名古屋市での受験を想定していた。同校2年生(16)は「居住地で差が出るのは不公平。移動時間に加え、慣れない土地に行くのは負担だったはず」としつつ、「従来のテスト1回の勝負に戻るとなれば、それはそれで不安」と複雑な心境をのぞかせた。

 一方、長良高2年生(17)は「学校も塾も明らかに情報不足で、手探りのまま始まるより良かった」と評価し、岐阜高2年生(17)は「どう取り組んだらいいのか、という不安は軽くなった」と安堵(あんど)していた。


カテゴリ: 教育 社会