悲惨な横断歩道での交通事故に一石を投じたい―。横断歩道を渡っていた岐阜県地方競馬組合職員の小木曽友香さん(25)=羽島郡岐南町=を車ではね、死なせたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪に問われた岐阜市の無職の女(33)に岐阜地裁(佐藤由紀裁判官)は6日、禁錮2年6月、執行猶予4年(求刑禁錮2年6月)の判決を言い渡した。「娘のことを覚えていて」―。公判で検察側は、小木曽さんの父親の悲痛な胸中を明かす供述調書を読み上げた。
小木曽さんは今年3月20日夜、勤務先の笠松競馬場(同郡笠松町)から帰宅中、隣接する同町西金池町の堤防道路の横断歩道で、被告が運転する乗用車にはねられた。
小木曽さんは5月に婚約者と入籍予定だった。結婚式での晴れ姿、その先の初孫の誕生を家族は楽しみにしていた。調書の中で父親は「明るい未来があったはず。少しでも多くの人に友香のことを覚えていてもらいたい。でなければかわいそう」と無念の思いを吐露。被告に対しても「事件のことをずっと記憶していてもらいたい」と強調した。
現場は見通しの良い直線道路。被告は事件当日、急死した知人の通夜の帰りで、「なぜ死んでしまったのか」と考えていて小木曽さんに気付くのが遅れたと供述している。毎月、月命日の20日に必ず現場に花を供えているといい、被告人質問では「一生かけて償いたい」と小さな声で述べた。
佐藤裁判官は6日の判決公判で「何ら落ち度のない被害者が亡くなり、結果は重大」と指摘。一方、被告が反省の態度を示していることなどから執行猶予を付けた。
道交法は、車やバイクは歩行者が横断歩道を渡ろうとしている場合、一時停止しなければならないと定めている。県警交通企画課によると県内では今年、10月末時点で横断歩道を歩行中に4人が車にはねられ、亡くなっている。






