あしなが奨学金支援者が減少 高齢化で辞退相次ぐ

2019年11月19日 07:54

 親を亡くした子どもらの進学を支援する民間非営利団体「あしなが育英会」(東京都)の定期支援者が、岐阜県内で減り続けている。2013年度の491人をピークに年々減少し、18年度は378人にまで落ち込んだ。半世紀以上にわたって高校生や大学生の学びを支えてきたが、定期支援者の間で高齢などを理由に辞退や遺産の寄付への切り替えが増加。奨学生らが地道な街頭活動で募金を呼び掛けているが、定期支援者の広がりにはつながっていないのが実態だ。

 あしなが育英会は、1967年に発足した「交通事故遺児を励ます会」が前身。寄付のみで運営しており、これまで約11万人の遺児らが奨学金を受けて高校・大学へ進学してきた。この奨学金制度を支える大きな柱が「あしながさん」と呼ばれる定期支援者。月500円から任意の額を口座振替やクレジットカード払いで寄付している。

 あしなが育英会によると、県内の寄付額は東日本大震災があった11年度に約6500万円に上ったが、18年度は約2600万円。1件の高額寄付があった16年度だけ一時的に増えたが、近年は減少傾向にある。

 一方、奨学金を希望する子どもは18年度から急増。返済が必要な「貸与型」に、返す必要のない「給付型」が加わったためだ。全国の奨学生は17年度が4571人、18年度が5038人、19年度は6287人(18日現在)と増加し、19年度は総額約50億5千万円を支給する予定で、17年度に比べて約2・5倍に増えた。

 奨学金制度を存続させるため奨学生たちも自ら動いている。岐阜市の名鉄岐阜駅前では10月、奨学生や高校生のボランティアが街頭で「あしなが学生募金」への協力を呼び掛けた。

 学生募金は年2回、全国約200カ所で実施され、寄せられた全額が同会に寄付される。

 今後も奨学金の希望者は増える見込みで、学生募金事務局の東海エリア代表で愛知学泉大3年の市川朋佳さん(22)は「奨学金がなかったら大学に通えていない。制度を維持して、進学を迷っている後輩の遺児たちに夢を実現するチャンスを届けたい」と協力を訴える。


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