岐阜新聞・岐阜放送レディースプラザ「せぴあ倶楽部」の本年度最終回となる第5回文化講演会が20日、岐阜市長良福光の長良川国際会議場であり、落語家の桂米團治(よねだんじ)さんと講談師の神田松之丞(まつのじょう)さんが「忠臣蔵」をテーマに高座とトークで来場者を楽しませた。
松之丞さんの演目は「南部坂雪の別れ」。討ち入りを目前にした大石内蔵助と、あだ討ちを待つ浅野内匠頭の妻・瑶泉院のやり取りをテンポよく展開し、聴衆を引き込んだ。
米團治さんは「七段目」を披露。芝居好きの若旦那が「仮名手本忠臣蔵」の芝居の一部を演じて巻き起こす騒動をユーモアたっぷりに聞かせ、来場者の笑いを誘った。前座は郡上市出身の落語家桂弥太郎さんが務め、会場を盛り上げた。
高座後のトークでは、米團治さんが「落語には失敗する人が多く出てくるので、少々の悩みではへこたれなくなる」と話すと、松之丞さんが「聞きすぎると人生は適当でいいんだって気になっちゃうので、講談と両輪で聞いた方がいい」と軽妙な掛け合いを見せ、沸かせた。
松之丞さんは「(講談は)恥をかいてこそうまくなる」と語り、米團治さんは「落語は一人でやるが一人じゃない。周りの支えがあってこそ」と感謝を口にした。
協賛はサンメッセ、日通旅行、都ホテル岐阜長良川、キリンビール。