外来種のヘビ...実は希少な在来アルビノか

2019年12月13日 08:03

山県市の里山で捕獲され、拾得物として保管されている色鮮やかなヘビ。ジムグリのアルビノの可能性が高いという(楠田哲士准教授撮影)

山県市の里山で捕獲され、拾得物として保管されている色鮮やかなヘビ。ジムグリのアルビノの可能性が高いという(楠田哲士准教授撮影)

 岐阜県山県市の山里で「オレンジ色のしまのヘビ」を住民が捕まえたことを伝えた岐阜新聞の7日付記事が、ヘビを飼う愛好家の間で反響を呼んでいる。記事では外来種のコーンスネークの可能性があると紹介したが、日本固有種の「ジムグリ」の可能性が高いことが読者の指摘をきっかけに分かってきた。土の中に潜り、見つけるのが難しいジムグリの、突然変異などで体表の黒色素(メラニン)がない珍しいアルビノとみられる。

 「おそらくジムグリの色変個体。非常に珍しい、本当に人生で一度も見られないレベル」「胴回りが細いのと、模様の入り方はジムグリ。レアカラーのジムグリの可能性が濃厚」

「動物園で展示を」/「海外に誇れる」 興奮の愛好家

 岐阜新聞への掲載と同時にインターネットで記事が配信されると、ツイッターやヤフーニュースのコメント欄に、ヘビに詳しい人たちの見立てが書き込まれ、議論になった。

 トクダネ取材班にも愛好家から情報が届き、愛知県内で数十匹のヘビを飼う男性(43)は「過去に写真で見たジムグリのアルビノよりも色がかなりきれい。コーンスネークと見誤るのも無理はない。学術的にも価値がある」、埼玉県内でコーンスネーク1匹を飼う女性(29)は「透明感のある朱色が華やかで、すごくきれい。山口県岩国市のシロヘビよりもレア。動物園で展示してほしい」と希少性を強調した。アルビノは、生まれつきメラニンが欠乏した個体のこと。

 ジムグリは、北海道から九州まで広く分布する日本固有種で無毒。体色は、幼体時は赤みがかった茶褐色をベースに黒いしま模様や斑紋が入るが、成体になるにつれて黒ずんでいく。土の中に潜って暮らす生態から「地潜り」が名前の由来とされる。

 東京都内で約100匹のヘビを飼う男性(57)も「海外に誇れる魅力的なモルフ(変異)なので、確実に増やしてほしい。日本固有種を大切にする意味でも。久々に"和ヘビ界"で光明が見えた」と喜ぶ。

 あのヘビは現在、どうしているのか。山県市の吉田忠史さん(75)が見つけて友人と捕まえた後、地元の警察署から委託された人が適切に飼育しているという。

 前回の記事で、ヘビの写真を確認してもらった岐阜大の動物繁殖学研究室の楠田哲士准教授がその後、実物を観察する機会を得て「目は赤く、体は赤みがかったオレンジ色に近い。白い斑紋の入った美しい個体だった。ジムグリによく似た斑紋で、アルビノと思われる」と改めて見解を示した。その上で「体鱗(たいりん)列数からもコーンスネークではなく、ジムグリの可能性が高いことが確認された。混乱を招いたことをおわびしたい」と述べた。楠田准教授は引き続き、保管者と共に慎重に調べている。

 再び、吉田さんを取材すると「えらいもんに遭遇してしまった。貴重なヘビなら、研究材料としてとことん調べてもらいたい。そして、動物園で大勢の人に見てもらったらいい。一代限りでは寂しいので、交配させて後世まで遺伝子を残してほしい」と期待を示した。

   ◇

 岐阜新聞は、暮らしの疑問や地域の困り事から行政・企業の不正告発まで、情報提供や要望に応え、調査報道で課題解決を目指す「あなた発!トクダネ取材班」を創設しました。あなたの知りたいこと、困っていることについて、ご要望や情報をお寄せください。LINEの友だち登録で取材班と直接やりとりもできます。


カテゴリ: 社会 科学