建設残土3年放置、高さ5m「すぐ撤去できない」

2020年01月23日 09:32

土砂が約5メートルの高さまで積み上げられたまま放置されている現場=昨年12月、安八郡輪之内町松内

土砂が約5メートルの高さまで積み上げられたまま放置されている現場=昨年12月、安八郡輪之内町松内

 岐阜県安八郡輪之内町松内で、建設残土とみられる土砂が約5メートルの高さに積み上げられたまま3年近くも放置され、地域住民から「土砂の崩落が心配」などと憤りの声が上がっている。土地を所有する羽島市の家具業者は「撤去の意思はある」と話すが、費用面などから原状回復は難しい状況だ。有識者は「建設残土の処理についてきめ細かい法規制が必要」と指摘する。

 現場はもともと広さ約6千平方メートル、深さ約3メートルの池で、3年ほど前に土砂で埋め立てられた。池の隣に畑がある男性(80)は「びっくりしている。当初、1メートルほどの高さまで埋め立てると業者から聞いていた」と話す。近所の男性も「太陽光発電施設をつくるために埋め立てると聞いていたが、それにしては高さがありすぎる」と表情を曇らせる。

 家具業者は15年2月、道路面から高さ約1メートルまで埋め立てる許可を県から受けた。三重県桑名市の建設業者が建設残土とみられる土砂を運び込み、約5メートルの高さに積み上がった。許可を超えた高さになっているため、県は17年から複数回是正指導をしているが、現在も改善されていない。

 取材に対して家具業者は「改善したいが、運び出すのに数千万円かかるため、すぐにはできない」と話し、建設業者は「(約1メートルの高さにするため)土の撤去を(家具業者に)約束したが、土の持って行き場がなくなってしまった」と答えた。

 県では「(家具業者は)書面で回答しており改善する意思がある」と対応を待つ。岐阜県には埋め立てについて罰則のある規制条例はあるが、輪之内町はトラブルにならないためにも「業者に土の埋め立てについて尋ねられたときは、判断する前にまず役場に相談してほしい」と注意を呼び掛ける。

 一方、隣接する三重県では、18年に建設残土とみられる土砂が山林に大量に運び込まれていることが問題となり、19年12月に罰則のある規制条例を制定した。土砂の埋め立て問題に取り組んだNPO法人「廃棄物問題ネットワーク三重」顧問の村田正人弁護士は「無秩序な土の積み上げは崩落の危険を招く」と指摘し、建設残土の埋め立てを「産業廃棄物の処分で法律上生じる排出事業者への責任が建設残土にはないことが問題。きめの細かい規制が必要」と強調する。


カテゴリ: 政治・行政 社会